マツコの「月曜から夜ふかし」で検証、“豊胸した胸をLEDで光らせる”は危険
LEDでも火傷する
放送翌日の11日、東京美容外科の公式TwitterとYouTubeで、「『豊胸手術した胸はLEDライトで光る』主治医の見解は?【東京美容外科公式】」と題した動画を公開したのだ。
3つのシリコンインプラントをデスクに並べた東京美容外科東京新宿院の小野准平院長が解説を始める。
「昨日、テレビ放送で、このようなシリコンインプラントによって豊胸した患者さんにLEDライトを押し当てた場合、お胸が光って浮き出て見えるということが放送され、お問い合わせがありましたので、詳細に解説させていただきます」
早速、問い合わせがあるとは……。
「まず結論から申し上げると、このようなシリコンインプラントというのは、シリコンと外の膜の構造によって、光を漏れないように強く押し当てた場合、ライトのように光が浮かびあがるというのは事実です」
小野院長、実際にシリコンインプラントそのものに光を当ててみる。インプラント全体が確かに光っている。
「このメカニズムは、災害時などにペットボトルに入った水に光を当てることでランプ代わりになるのと、基本的には同じと思っていただいて構いません。なので、このシリコンバックがお胸に入っている方に、強い光が外に漏れないように当たった場合、もちろん条件によって変わりますが、シリコンの形がライトのように浮かびあがることは、可能性として起こりうることです」
番組の実験は正しかった。しかし、こう院長は続ける。
「どれくらいランプのように光るのかは、様々な条件によって変わります。一番の要因は、やはりこのシリコンを包んでいるご自身の乳腺と皮下脂肪の厚みがどれくらいあるかによって、どれくらいランプのようにくっきり浮き出るかが変わってきます」
つまり“皮膚がパッツンパッツン”くらいでないと、光らないようなのだ。院長はテレビ同様に、豊胸した人にLEDライトのみならず、スマホのライトも当ててみせる。LEDライトで光ることは光るのだが、強く押しつけないと駄目なことを検証。そして……。
「非常に強い光を外に漏れないくらい押しつけて、かつ非常に乳腺や皮下脂肪の厚みが薄い方、そういう方に限って、鮮明に浮かびあがるということが起こりうるわけで、多くの方には日常生活の中でそのようなシチュエーションは、まず起こりえないと思いますのでご安心いただければと思います」
なぜ、このような動画を公開したのだろうか。東京美容外科に聞いてみた。
「シリコンインプラントによる豊胸手術は、美容目的だけのためではありません。乳がんなどの病気の治療において、シリコンインプラントを使った再建も行われています。面白おかしく取り上げ、まるでウソ発見器のようにLEDライトを押し当てる行為が広がってしまうと、手術を受けようという方が不安を感じたり、二の足を踏んでしまうのではないか。きちんと解説すべきだと考え、動画を公開しました。それにLEDライトというのは発熱しないと考えられていますが、高輝度のLEDライトは熱も発生するそうです。火傷の例もあるので、それを胸に押し当てることは危険ですからね」(東京美容外科)
安易に笑いのネタにするのは止めたほうがいい、ということらしい。
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