私の『大家さんと僕』(中川淳一郎)
矢部太郎さんの『大家さんと僕』が話題なので、私も印象に残る大家について書いてみます。最初の大家は1998年、東京・恵比寿のマンションの最上階に住むメガネのお爺さんでした。不動産屋からは「新しい住人は必ず挨拶に行かなくてはいけない」と言われ、彼の部屋を訪れたところ、「とにかく家賃の振込みは絶対に遅れるんじゃねーぞ! もしも住み続けたいんだったらな」と恫喝されました。
元々この部屋には恋人でもなんでもない女性と2人で住むことになっていたのですが、不動産屋からは「大家さんが頭の固い人なので、『妻』ってことにしてください」と言われ、彼女と一緒に挨拶に行きました。...
つづきを読む