沖縄アクターズスクールの希少種 山田優の“プロ妻”力

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 安室奈美恵、引退。9月16日は安室記念日として国民の祝日になりそうなくらい、どこもかしこも「安室ちゃん」だった。様々な形で彼女にエールを送る芸能人を見て、ふと「沖縄アクターズスクール出身女性たちのその後」を考えてしまったのである。

 MAX、SPEED、知念里奈…。今や演技派女優として名高い満島ひかりも卒業生だ。鍛え上げられた歌とダンスで一世を風靡した彼女たち。でも不思議なことに、歌手として第一線に残り続けている者はほぼいない。ISSAや三浦大知といった男性卒業生たちは、音楽の道を歩み続けているのと対照的に。そういう意味で安室の凄さは際立つが、今回語りたいのは山田優の意外な息の長さである。

 自身もダンスボーカルグループとしてデビューしながら、鳴かず飛ばずの時代を経て、モデルに転身。その後「CanCam」のモデルとして、蛯原友里や押切もえと同誌の黄金期を築いた山田。しかし彼女のサバイブ力はその容姿ではなく、アクターズスクール生らしからぬ「プロ彼女」濃度の高さにあるのではないか。

 かつて西島秀俊が16歳年下の一般女性と突如結婚した際に注目された「プロ彼女」。一般人ながら並外れた美貌を持ち、口は固く、男性芸能人やスポーツ選手に徹底的に尽くす陰の女。その見返りに彼らとの結婚を手に入れる、したたかなシンデレラたちのことである。

 山田は有名タレントなので、「プロ彼女」という言葉は正確ではない。だが今や彼女は、「山田優」よりも「小栗旬の妻」という文脈を重んじているように思える。彼女が先月に出演したTV番組「A-studio」で、夫妻をよく知るという司会の笑福亭鶴瓶はこう語った。「山田と結婚したから小栗があそこまで出世した」と。業界内にも存在する「小栗旬の妻」というフィルター。彼女とて、芸歴は長いのにもかかわらず。でも怒ったり悲しんだりするどころか、満点回答するかのように「プロ彼女」力、というか「プロ妻」力を発揮しまくるのが山田なのだ。夜な夜な俳優仲間を自宅に連れてくる夫に文句一つ言わず、手料理をふるまってもてなす。しかも料理が絶品。いちいちその様子をSNSでアップするような真似はせず、子育ても涼しい顔でこなす。さらに2児の母とは思えないスタイルを保つおしゃれな女性。これぞ芸能人の妻の鑑、という生き方を発信し続けている。

 一方、他のアクターズスクール卒業女性たちは、不倫スキャンダルや突然のできちゃった婚で、芸能界を浮き沈みしている。それは陰に生きる「プロ彼女」とは真逆の、スクール仕込みの「私を見て」という力の強さのせいかもしれない。母校の作法と正反対の「内助の功」に生きる山田が、光の当たる場所に居続けているのは皮肉なものである。

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