内陸部でも液状化!? 大地震&大雨で「多摩ニュータウン」が“泥没”の警告

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“びゃく”

 日本地質汚染審査機構理事長で、茨城大学名誉教授の楡井久氏に聞いた。

「実は、東京の郊外にある多摩ニュータウンでも、清田区のようなことが起こりうるのです。液状化というと、一般的には湾岸エリアが危険視されていますが、条件次第では、内陸部であっても、液状化と、次の段階の流動化だって起こりえます」

 遡ること35年、流行語にもなった“金妻”のロケ地が泥に没するとは……。

「多摩ニュータウンは、丘陵地帯を切り崩し、埋め直して造成されました。地層は礫岩(れきがん)を多く含み、液状化に強いとされたのは事実。ですが、埋め戻しに使われたのは多摩ロームや立川ロームといった火山灰を含む土なのです。なので、上層に液状化に弱い人工地層を抱えている点は清田区と同じ。そこに今回のような地震と大雨が重なれば、同様の被害も考えられる。むしろ、その可能性は高いのではないかと思います」

 この説に、「突拍子もない話ではない」と、東京都の関係者が囁く。

「明確な地点は不明ながら、関東大震災では、多摩ニュータウンに近い“多摩市内の大栗川沿い”や“多摩市落合”が液状化したとの記録があります。また、明治以前の話ですが、界隈の方言で、山崩れを“びゃく”、洪水を“びゃくが飛んだ”と言っていました。“びゃく”が含まれた地名を示す記録も残されています」

 遠い昔の話ではあるが、捨て置けない。金曜日の妻たちが知らない史実である。

週刊新潮 2018年9月20日号掲載

特集「『北海道大地震』の次は… 『本州大都市』震度7で何が起こるか!?」より

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