大谷翔平、“松井超え”達成でもどうなる「二刀流」の選手生命
再び、メジャーリーグファンはやきもき。ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平(24)に、新たな右肘の損傷が見つかったからだ。せっかく、松井秀喜のルーキーイヤー・ホームラン記録を抜いたのに、「二刀流」の選手生命はどうなる?
大谷は3カ月前、右肘の内側側副靭帯に損傷が見つかり、「故障者リスト」入り。
間もなく、打者として試合に出場するようになったものの、ようやくマウンドに立てたのは9月2日のことである。ところが、それも束の間、右肘の張りが取れずに検査したところ、前とは別の場所に損傷があることがわかったのだ。
メジャー担当記者の話。
「前回のケガで、大谷が選択したのはPRP治療でした。最近、メジャーで注目されている治療法です。自身の血液を遠心分離機にかけ、血小板を濃縮させたPRP組織を抽出。それを患部に注射すると、自然治癒力が高められる。しかし、今度は、エンゼルスのチームドクターが、他所の腱を移植するトミー・ジョン手術による抜本的治療を勧めたのです」
PRP治療とトミー・ジョン手術だが、肘にメスを入れること以外の違いはなにか。
スポーツドクターが解説する。
「PRP治療のメリットは、副作用もなく、身体にメスを入れないため、早期治癒が見込める。でも、データの蓄積が少なく、どれくらいの確率で治るのかといったことなどがわかっていません。なので、結局、効果が得られず、トミー・ジョン手術に切り替える選手も少なくない。この手術は1970年代から行われているので、技術も向上し、ほぼ9割の患者が完全回復している。ただ、問題はピッチャーとして復活するのに1年近くかかってしまうことです」
[1/2ページ]