「樹木希林さん」遺作は来年公開「エリカ38」 自ら主演に浅田美代子を起用した理由
樹木希林さんが亡くなった(享年75)。10月13日には映画「日々是好日(にちにちこれこうじつ)」が公開されるが、未公開作品はまだある。来年(2019年)公開予定の「エリカ38」が彼女にとって遺作となり、半世紀以上に亘る女優人生で初めて企画を手がけた作品だという。主演は、プライベートで家族同然の付き合いをしてきたといわれる浅田美代子(62)。最期まで娘のように気にかけていたそうだ。
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「『久しぶりに一緒にやりましょうよ』と希林さんに声を掛けられたのは一昨年(2017年)かな。『あなたらしい作品でいいから』って……」
とは、製作・総指揮として関わった映画プロデューサーの奥山和由氏(63)だ。
「私のほうがいろいろ相談に乗ってもらったりしてるうちに、『浅田さんでこんなの考えたんだけど』と希林さんに提案されたのが『エリカ38』でした」
62歳の女が38歳と偽って金を集め、出資法違反で逮捕された女詐欺師をモチーフにした作品だ。
「僕は人が企画した作品なんてやらないんだけど、他ならぬ希林さんに言われたらね……」
希林さんと奥山氏の関わりといえば、「カポネ大いに泣く」(85年:鈴木清順監督)や「いつかギラギラする日」(92年:深作欣二監督)、「RAMPO」(94年:奥山和由監督)、「美味しんぼ」(96年:森崎東監督)、「IZO」(04年:三池崇史監督)……とディープな作品が多い。
「撮影は今年1月から4月まで。監督の日比遊一さん(54)も希林さんの推薦だった。7月中旬には“0号試写”もやって、希林さんも一緒に見てますよ。見終えた希林さんは『グレード、どの辺りだと思う?』って聞いてくる。希林さんに曖昧に答えたところでお見通しだから、ストレートに言いましたよ。彼女からも提案があり、監督と3人で、ああだこうだと話し合って、ここはああ直そう、あそこはこうやろうと、作業を行っていたところでした。10月11日から開催される京都国際映画祭で製作発表の予定で、希林さんも参加する予定でした。癌であることも、大腿骨骨折で入院していたのは知っていたけど、その後も連絡は取っていたし、本人も出席するつもりでした」
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