外務省の“歯ぎしり”が聞こえる 日朝高官“極秘接触”

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〈日朝高官が極秘接触〉

 8月29日の東京新聞夕刊に関係者がざわついた。官邸担当記者によれば、

「28日、米ワシントン・ポストが7月に内閣情報調査室(内調)の北村滋内閣情報官と北朝鮮高官が極秘に接触していたことを報じました。各紙、それを受けて後追いしたのですが、東京新聞だけが接触した日付など、ワシントン・ポスト以上の内容を報じてきたのです」

 報道で日本の情報機関のトップが日朝交渉を行っていたことが白日の下にさらされた。しかし、なぜ、北村氏が交渉しているのか。

「米朝交渉はCIA長官だったポンペオ氏が中心でしたから、カウンターパートは内調となるのです」(同)

 これに歯ぎしりをしているのが外務省だ。元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が言う。

「当然、プライドの高い外務省からすれば面白くない。今回の報道は外務省高官からのリークの可能性があります。それにより、官邸の交渉ルートを潰そうというわけです」

 実際、外交のプロであるはずの外務省は、

「朝鮮半島を担当していた北東アジア課を、7月から韓国を担当する1課と北朝鮮の2課に分割。ですが、2課の課長は北朝鮮の専門家ではない上、中国の大使館ルートは北の上層部とつながっておらず、機能していません。事実、8月3日のシンガポールでの会合で、河野太郎外相は北の外相と会談どころか、たった2分の立ち話しかできませんでした」(外務省担当記者)

 その一方で、こんな声も。

「秋葉剛男次官はオフレコでも官邸批判をしませんが、省内では“北村は外交の素人。最後はこちらを頼ってくる”と負け惜しみを言う人もいますよ」(同)

 嫉妬渦巻く “霞が関”は健在である。

週刊新潮 2018年9月13日号掲載

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