NHK「ファミリーヒストリー」にデヴィ夫人 放送を3倍楽しめる“欄外情報”

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 歯に衣着せぬ物言いと浮世離れしたキャラクターで、東に西にますます盛んなデヴィ夫人(78)。彼女が今月17日放送のNHKの人気ドキュメンタリー「ファミリーヒストリー」に登場する。

 1940(昭和15)年、東京麻布で大工の家に生れ、家計のため高校を中退し赤坂の高級クラブ「コパカバーナ」で働いていた根本七保子(なおこ)嬢。知遇を得たインドネシア大統領スカルノの第3夫人にまでなった。番組は、本人の家族の歴史を辿り、アイデンティティや家族の絆を見出す内容なので、大統領夫人誕生の“裏舞台”までは恐らく放送されない。

 そこで先回りして、番組を3倍ほど楽しめるいわば“欄外”ヒストリーを以下に――。

 証言してくれるのは、戦後の“黒幕史”に詳しい、さるジャーナリスト。

「“政商”と呼ばれた、ある人物がキーとなります。『東日貿易』社長の久保正雄(84年没)、スカルノに取り入り、戦後のインドネシアへの賠償金ビジネスで巨利を得た人物です。“右翼の黒幕”児玉誉士夫や暴力団『東声会』会長の町井久之などと太いパイプを持ち、また長嶋茂雄や高倉健とも親しい、知る人ぞ知る戦後の“名士”。彼がスカルノとデヴィさんの間を取り持った張本人です」

 59年、「コパカバーナ」で働く、当時19歳だった七保子嬢は、客として訪れた久保と知り合う。そこで彼から、一夫多妻で既に2人の夫人のいるスカルノの許へ、愛人として赴くよう持ちかけられたのだ。

「彼女は嫌がることなく承諾しました。貧しい家に育ち、強い上昇志向があったんでしょう。インドネシアには“東日貿易の秘書”として向かいました」(同)

 だが、やがて美貌と持ち前の勤勉さでスカルノの寵愛を一身に受けるまでとなり、62年には正式な妻に。晴れて“デヴィ夫人”の誕生。時に22歳。スカルノ氏は67年に死去――。

 波乱を糧にしてしまう女傑のヒストリーである。

週刊新潮 2018年9月20日号掲載

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