全国父兄から怨嗟の声 “猛烈部活”野放しの元凶は「朝日新聞」が人命より大切な「甲子園」

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社説では〈高温時は行事を中止に…〉

 むろん、近年は生徒の父母からの「炎天下で練習をさせすぎないで」という悲鳴にも似た要望も増えたという。だが一方、高校球児のがんばりを踏まえて「負けるな」という父母の声も届くから、手を打ちにくいのだそうだ。

 前回の東京五輪のバスケットボール日本代表で、モントリオール五輪日本代表監督の吉田正彦氏も、

「バスケットボールのインターハイも、甲子園と同じ時期に似たような日程が組まれますが、それは高体連が高野連の影響を受けたからです。バスケット競技団体が高体連から脱退するのは難しいですが、真夏に密閉された体育館で、短期集中型のトーナメント戦をするのだから、試合のレベルは惨憺たるものになります。生徒に負担だけを押しつけています」

 そう話す。甲子園、つまり夏の全国高校野球の主催者といえば、高野連と朝日新聞社である。

 朝日は7月31日付の社説で、〈猛暑再び 「災害級」に備えるため〉という見出しのもと、〈命を守ることを何よりも優先させなければならない〉〈学校や関係機関は気象予報に注意し、高温時は行事を中止するなど柔軟に対応してほしい〉などと主張した。朝日が自らのコトバに誠実なら、猛暑日の地方大会は中止にし、甲子園で猛暑日を記録した8月6日や14日にも、高校野球という「行事」を中止にすべきだった。だが、現実には、試合中に給水時間を増やしたほかは、ほとんど手が打たれていない。

 先の吉田氏も、

「灼熱の太陽の下、高校生に給水しながらプレーさせることに違和感がある。熱中症やケガを防ぐための給水なら、大会の時期を2カ月後にずらすとか、よりよい工夫をすべきです」

 と訴える。朝日が明らかな言行不一致を自らに許しながら、頑なに守ろうとする甲子園とは、この新聞にとってどんな存在なのか。

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