レトロというより野暮… 自動小銃「カラシニコフ社」のEV試作車

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 掃除機の会社が参入するのだから、兵器メーカーがEV(電気自動車)を作ってもおかしくないのだろう。自動小銃「AK-47」で知られるロシアのカラシニコフ社が、EVのコンセプトモデルを発表したのは8月24日のこと。

「同社が発表したのは、『CV-1』というモデルで、“テスラに肩を並べた”とうたっています。1度の充電で走行距離は350キロ。停車状態から約6秒で時速100キロに達するとしていますから、最新のEVのなかでも、中クラスの性能といえる。もちろん、実際に完成車に乗ってみないと何とも言えませんが」(自動車ジャーナリスト)

 もっとも写真にあるように、共産主義時代を彷彿とさせるデザインで、レトロというより野暮ったい。それにしても、自動小銃のメーカーが、なぜEVに参入するのだろうか。

 銃器評論家の津田哲也氏によると、

「1947年に作られたAK-47は、ギネスブックにも載るほど普及した自動小銃です。構造が簡単なので、コピーも作られ世界中にカラシニコフ型の銃が出回りました。もっとも、ソ連崩壊のあとは、各国のテロリスト集団が使うようになり、悪いイメージで見られてしまった。そこでカラシニコフ社は、イメージ挽回のために銃以外のオシャレな製品に手を出すようになったのです」

 2005年には時計ブランド「カラシニコフ・ウォッチ」を立ち上げ、2年前にはアパレルとアクセサリーにも進出している。

「今回のEVもイメージ戦略の一環でしょう」(同)

 笑いを誘って評判を上げたかったのか。

週刊新潮 2018年9月13日号掲載

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