女帝「塚原千恵子」が告白“体操パワハラ問題”全真相 複数から浮上した速見コーチの暴力問題

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登録を抹消されていた速見コーチ

 ただ、このとき彼女が置かれていた状況は、いつもと違っていました。これまでずっと二人三脚で練習に取り組んできた速見コーチのもとを離れて、一人だったのです。きっと不安だったことでしょう。そんな彼女に、私はぶっきらぼうな、威圧的ともとれるような態度で接し、恐怖感を与えてしまった。そのことをまず、宮川選手にお詫びしたいと思います。

 なぜ、このときNTCに速見コーチがいなかったのか。それは、この時点で宮川選手が所属していた体操クラブが、合宿直前に速見コーチの登録を抹消していたからでした。

 実は、宮川選手はそのクラブと少しトラブルになっていました。今年6月、群馬県高崎市で行われた種目別選手権大会でのこと。彼女はそこの所属として出場するのに、Tシャツに「DASH」というロゴを入れてほしいと言ってきた。DASHとは大阪体育大学が設立したアスリート育成基金のことで、体操クラブの代表は、宮川選手が自分のクラブの専属のつもりでいたので、驚いたんですね。

 そこで、この代表がいろいろ調べると、別の問題も浮上したんです。宮川選手は昨年10月、速見コーチと一緒に、それまで所属していた埼玉県のS体操クラブを離れましたが、その原因が暴力だったことがわかったのです。S体操クラブの代表たちから当時所属の体操クラブ宛てに、速見コーチは宮川選手に体罰や暴力を繰り返し行っていたとの訴えが寄せられた。周囲の選手やコーチも、酷すぎると悲鳴を上げていたそうで、それがわかったため、7月10日、速見コーチはクラブから指導者としての登録を外されたわけです。

〈合宿が始まる以前に、速見コーチは、宮川選手が所属するクラブとの間のトラブルが原因で、彼女を指導できなくなっていたわけだ。加えて、コーチや選手たちがNTCに集まるこの時期、暴力問題は、奇しくも別の方向からも浮上していた〉

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