復活「なんでんかんでん」が大行列 川原社長が語る“旧店との違い”と“借金3千万円”
自称“日本のラーメンブームはここから始まった”。かつて一世を風靡したとんこつラーメンの有名店「なんでんかんでん」が、このたび復活を遂げた。店以上に知られた「川原社長」ももちろん健在。だが、時代の波に逆らえない“事情”もあるようで……。
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「なんでんかんでん」の第1号店がオープンしたのは、1987年、東京・世田谷の環状7号線の地だった。東京でとんこつラーメンがメジャーではなかった当時にあって、その“濃く”て“クサい”ラーメンは大ヒット。最盛期には1日に1200杯を売り上げ、年商は5億円にも上った。また、2001年には創業者の川原ひろし社長(54)も「マネーの虎」(日本テレビ系)にレギュラー出演したことをきっかけに、強烈なキャラクターの“株式会社なんでんかんでんフーズ代表”として世間に知られることとなった。
だが、やがてブームは終焉を迎え、店は2012年に閉店の憂き目に。それから6年の時を経て、9月3日に東京・高円寺で復活を果たした、というワケである。
再起後初となる日曜日の9日、時刻は昼さがり――。店の前には、「なんでんかんでん」を求める客が、50人ほどの列をなしていた。いずれも、往年のファンと思しき年代である。そうこうしていると、警官が2人現れ、何事かを店内に向かって告げる。対応のため出てきた男性は、川原社長その人であった。
「いやあ、行列を見た通行人から通報されちゃったみたいでね」
“マネーの虎”だった頃に比べ少しふくよかだが、そのルックスの濃さは衰えていない。なにより客や道行く人々から握手と写メを求められる知名度もそのまま。
「どこから来たの? 港区? 都会だね~ え、芝浦? 一応は港区か…」
なんて会話を交わす接客術も、6年前から衰えた様子はない。当初、15時までだった昼の部はスープ切れのため、早目に終了。足を運ぶも食べられなかった客に「ごめんね、次は17時半から」と、川原社長は申し訳なさそうに告げるのだった。
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