NHK「みんなで筋肉体操」で検索急上昇 “北欧庭師”の村雨辰剛って何者?
日本国籍を持つ30歳のイケメン
NHK総合「みんなで筋肉体操」が盛りあがっている。8月27日から連続4日間、午後11時50分からの5分間番組として放送された。出演者は全員が男性、それも筋骨隆々という異色番組だ。
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「筋肉指導」が近畿大准教授の谷本道哉。「アシスタント」は俳優・武田真治、庭師・村雨辰剛、弁護士・小林航太の3人。ちなみに谷本・武田組が40代、村雨・小林組が30代という組み合わせになっている。
予告編が公開されると、たちまちネットで火が付いた。そして本編の放映で、ストイックに筋肉を鍛える内容がさらに話題を呼んだ。好評を受け、9月13日の午後11時時55分から全4回が再放送。さらに9月17日にも、午後11時30分から「スクワット」、午後11時45分から「腹筋」が再放送されるという。
出演者の中で最も注目を集めているのは、やはり庭師の村雨辰剛だろう。日本名で庭師で、なのに外見は白人。このギャップが話題だ。写真をご覧いただきたいが、ミケランジュロのダビデ像より美しいかもしれない。
高校生からトレーニングを開始。20代前半は太ったこともあったというが、一念発起して体重を絞りながら筋肉も鍛えた。現在のようになると、維持も大変だという。基本は毎日ジムに通い、最低でも1時間のトレーニングを行う必要がある。
これまでにもCMや民放の報道番組の出演歴はあるが、タレントとしてのキャリアは新人。今回のNHK出演は、大抜擢だ。取材を申し込み、まずは「アシスタント」が決まった時の気持ちについて訊くと、極めて流暢な日本語で応じてくれた。
「深夜零時に近い時間帯で、放送時間は5分間です。普通なら『話題になる可能性は低い』と考えたかもしれません。でも、番組スタッフの皆さんが『宣伝はSNSに力を入れます』と説明してくださった瞬間、『この番組は人気を呼ぶ』と直観で閃きました」
収録を振り返って「人生で一番、楽しい仕事でした」と表情が輝く。「笑いの絶えない現場でした。その雰囲気が視聴者の皆さんにも伝わったのかもしれません」
軍隊で働くか、日本で働くか、悩んだ10代
村雨は1988年7月、スウェーデンに生まれる。名前はヤコブ・セバスティアン・ビヨーク。南部のエルケルユンガという非常に小さな街で育った。
「私が4歳の時に両親が別れることを決め、私は母との生活を選びました。スウェーデンの家族関係は極めて自由です。母は結婚し、私は養父と一緒に暮らすようになりましたが、実父にも変わらず会い、父親として育てられました。後に実父も別の女性と結婚したので、私には異父・異母きょうだいが6人います。みんな仲良くやっています。ただ、憧れの対象は養父でした。空軍に勤務し、優しいけれど躾は厳しいという“オヤジ”でしたね」
小学生の時は悪戯好きな子供だったというが、中学生になって思春期に入ると、内向的な性格になった。語学と歴史が好きになり、勉学に没頭した。
「成績は良いほうでした。大好きな英語と歴史だけ猛勉強して、他の科目は授業を聞いただけで何とかなりました。ただ、数学だけは興味を持てず、成績も良くありませんでした」
スウェーデンはEU加盟国。域内であれば移動・移住の自由があるが、スウェーデン人は本質的に“外国”へ出たがらない傾向があるという。
「逆に私は外国で生活することに憧れを抱いていました。そしてアジア史に興味を持ち、日本に注目するようになります。島国ですから、アジアの中でも独自の文化を構築していることに惹かれたのです。16歳で神奈川県にホームステイも経験し、『日本で働きたい』という気持ちがさらに強くなりました」
ちなみに、自分のルックスを自覚したのは中学生の時。
「内気な日本の女性と違い、スウェーデンの女性はストレートに気持ちを伝えます。私もかなりの回数、“告白”されました。ただ語学と歴史の勉強に夢中で、当時は異性への関心が皆無でした」
高校3年で英語は相当に上達し、日本語とフランス語が続いた。数学は苦手なままで、興味を持てない科目も少なくなかった。ここで大学進学ではなく、就職を決断する。
「義父のように軍隊で働きたいとの気持ちも強かったのです。身体を鍛えるようになった原点でもあります。スウェーデンは徴兵制です(※編集部註:2010年に廃止されたが18年1月から再開)。軍に入るなら陸軍のレンジャー部隊に進みたいと志願しました。ただ、当時はロシアとの関係が良好だったので、軍縮傾向が強かった。そうしたこともあり、最後は日本で働くほうを選びました」
求職活動を開始すると、名古屋の外国語学校に就職が決まった。担当は英語とスウェーデン語。憧れの日本で働き出したが、待っていたのは辛い日々だった。
「語学学校とスポーツ用品の販売店に勤務しました。日本語能力は今よりも低く、会話に苦労しました。スウェーデン人は勤勉で、労働観も日本人と似ています。もっとも、日本の『お客さまは神様です』の精神は、行きすぎではないかと疑問に思うことも多かったですね。何より、本当にやりたい仕事をできていなかったことが、最大の悩みでした」
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