反トランプの「ナイキ」広告、不買運動が起きても実は大成功のウラ事情

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リーバイス履けない、ハーレー乗れない…

 当然といえば当然だが、こうした傾向はトランプ大統領以降、強まっている。

「『vox』というメディアが、今回のニュースと絡めて“大統領選の頃から、アメリカの広告は政治色が濃くなっている”という指摘をしており、なるほどなと思いましたね。たとえばトランプ氏には人種差別的な発言が目立ちますが、コカ・コーラやエアビーアンドビー、ペプシ・コーラといった企業がこれに反発し、多様性を訴える広告を展開してきました」

 コカ・コーラとエアビーアンドビーは、人種や国籍のさまざまな老若男女がつぎつぎ登場するという、オーソドックス(?)な演出のもの。だがペプシは、デモ隊が対峙する警官にペプシを渡してみんなニッコリ、なんてお気楽なCMを作ってしまい、謝罪のコメントを出すはめとなった。反トランプだったら何でもいい、というわけでもないらしい。

「ブランドと政治を結びつける傾向が強くなると、自分の身に着けている服から“主張”を読み取られかねません。たとえば今、『ナイキ』のロゴがついた服は着にくいですよね。トランプ支持者なんてもっと大変で、ナイキは履けませんし、銃規制の運動に賛同を示した『リーバイス』は履けない、NFL選手の国歌斉唱拒否を支持した『フォード』の車は乗れない、トランプ大統領も激怒した工場の国外移転を決めた『ハーレー』も乗れません。大統領選挙中にトランプ氏や支持者がかぶっていた『メイク・アメリカ・グレート・アゲイン』のコピーが記された赤いキャップがありますが、“今、トランプ支持者が身に着けられるのはあの帽子だけ”なんてジョークもあります。もっとも、この帽子は中国製らしいですけれど……。“米国民は不買運動に疲れている”という意見は、経済メディアの『QUARTZ』でも紹介されています」

 ニューバランスは過去に“親トランプ”と読み取れるメッセージを発表した。ナイキは反トランプ。気楽に履けるスニーカーは、もはやアディダスしかないのかも。

週刊新潮WEB取材班

2018年9月11日掲載

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