“ジャーキー”“ささみ”でも実は… 穀類主体フードで「胃腸炎」「アレルギー」多発 愛猫・愛犬が食べてはいけない「ペットフード」実名リスト
「穀類」が主成分の商品リスト
ノア動物病院院長で、『愛犬を長生きさせる食事』の著者、林文明氏も言う。
「診察を日々していると、穀類を多めに取ることによって、胃腸の負担になっていると思われる症例が多々あります。外来が1日50件あるとしたら、うち2〜3件は穀類の影響が疑われるケースです」
ペットフード会社は、なぜこうした製品を作るのか。
「ものすごく安価だからです」
とは、前出の水上氏。
「犬猫はもともと肉食ですから、タンパク質の補給が必要。が、肉などの動物性タンパクは高価なので、そこに植物性タンパクを含む安い穀類を入れて、全体の値段を抑えるワケです」
掲載の表は、大手メーカーのうち、「穀類」を主とする製品の一覧である。間食の欄を見ると、「ジャーキー」や「ささみ」といった、「肉」を前面に出した商品にすら、実は「穀類」が主の製品があることがわかる。このカラクリに気付いている方はほとんどいないのではなかろうか。
「もう一点、注意すべきなのは……」
と、水上氏が続ける。
「同じ穀類が名前を変えて分けて表示されている場合です。例えば、トウモロコシであれば、『コーン』『コーングルテン』『粗挽きトウモロコシ』などと、状態によって分けて書かれていることがある。この場合、それぞれの割合は減りますから、一番先頭には書かれませんが、トウモロコシ類を足せば大きな率を占めるでしょう。チェックが必要です」
これら「穀類」の問題について、各社に質問すると、
「単一な蛋白源に頼った食事はアミノ酸の過不足を招く可能性がありますが、様々な蛋白源を組み合わせることでそれぞれの栄養上の弱点を補うことができます」(日本ペットフード)
他社も安全性、正当性を強調する回答であった。
犬猫はモノが言えない。健康への影響は、症状が進んだ時に初めてわかる。ペットを家族の一員と思うのならば、何より気を配るべきは、日々の食事。気付いた時には手遅れ……とならないためには、ペットフードへの確かな“目”を養うことが必要である。
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