ふるさと納税の返礼品に「EXILEグッズ」 東京・目黒区が練った秘策の効果は?

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 東京23区が税収減に喘いでいる。財政赤字に苦しむ地方との税収格差をなくすため、ふるさと納税がスタートして10年。返礼品目当ての地方への寄付金が増加する一方で、寄付金分を控除する東京の税収が減っているのだ。その額、実に312億円!

 だが、東京だって手をこまねいているだけではない。目黒区が起死回生の一策として打ち出したのが、「EXILEグッズ」の返礼だ。果たしてその成果は――。

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「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」、「自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度」として、2008年に創設された寄付金制度が“ふるさと納税”だ。自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される。さらに、自治体によっては、寄付金額に応じた“返礼品”が受け取れることから大人気に。

 だが、その返礼品は徐々に豪華な品物へと変わり、なかには“ふるさと”とは縁もゆかりもないような商品へと変わり、それを目当てにした“納税者”が急増した。

 制度がスタートして10年、今年(2018年)2月、東京23区の区長でつくる特別区長会(会長・西川太一郎・荒川区長[76])が緊急声明を発表した。曰く「(地方への)ふるさと納税により、特別区民税の減収見込みは約312億円まで達する」というのだ。7月には野田聖子総務相(58)に直接、是正の要望書を手渡すまでに至った。

 昨年度、約16億円がふるさと納税により流出したという目黒区が頼りにしたのがなんと、あのEXILE。目黒区へのふるさと納税に、「EXILEグッズ」や所属事務所LDHが展開する飲食店(LDH Kitchen)の利用券を返礼品にしたのである。

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