旗振り役は上地雄輔“パパ” 横須賀「わたしの終活登録」とは

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 2040年には65歳以上の高齢者の4人に1人が一人暮らしになる。今年1月、こんなショッキングなレポートを公表したのは国立社会保障・人口問題研究所だった。そこで他に先駆けて市民の“終活”に取り組んでいるのが神奈川県横須賀市。その旗振り役はタレント・上地雄輔のパパで、昨年6月に当選した上地克明市長(64)だという。

 横須賀市が今年5月に開始したのは終活情報登録伝達事業、通称“わたしの終活登録”だ。生前に緊急連絡先や遺書の保管先、墓地の場所などを登録し、一人暮らしの高齢者が亡くなった後に無縁仏になるのを防ぐことを目的にしている。

「実は、以前から低所得の高齢者を対象に終活事業はしていたのです」

 語るのは横須賀市福祉部の北見万幸(かずゆき)次長だ。

「3年前、一人暮らしの高齢者が亡くなり、すぐに連絡できる親族が見つからなかったので市が火葬しました。ところが、遺品整理で“自分の葬儀費用に充ててくれ”との趣旨が書かれた遺書と、互助会に毎月3千円が振り込まれていた通帳が見つかりました」

 結果として、故人の遺志は叶わなかったわけだ。

「我々が、その遺書の存在を知っていれば故人の遺志を尊重できたし、税金を使わずに済んだ。やるせなさが残りましたね」

 人口約40万人の横須賀市では、毎年4千〜5千人が亡くなっているが、身元が判明しているのに核家族化などの影響で無縁仏として埋葬されるケースが増えているという。

「今回の制度は年齢や収入に関係なく、横須賀市民なら誰でも利用できるようにしました。開始3カ月半で相談件数は150、登録件数は31に上っています」

 目下、65歳以上の一人暮らしは655万人を超えている。

週刊新潮 2018年9月6日号掲載

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