ドレスコード崩壊? 伝統も温暖化には勝てない「オペラの祭典」(古市憲寿)
ドイツのバイロイト音楽祭へ行ってきた。ワーグナーのオペラが現代風の演出で披露される祭典だ。あるオペラ好きから言わせれば「史上最高の甘美な拷問」。演出が難解なことに加えて、劇場には字幕装置もない。予習なしに行くと、全く意味がわからないというのだ。
場違いな僕が行くことになったのは、音楽家の三枝成彰さんに誘ってもらったから。音楽界には「バイロイト詣」という言葉があるほど、そこでワーグナーの楽劇を観るのは価値があることらしい。
オペラといって心配になるのはドレスコードである。...