“手造り”で売る田中義剛の「花畑牧場」生キャラメル、実際は完全機械化 元従業員が証言

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“どこが手造りなんだろうね”

 それにしても、事業が拡大しても「手造り」を続けられる秘訣はなにか。生キャラメルを製造する花畑牧場の十勝第3工場で働くパート従業員に尋ねると、

「銅釜を使って手で炊いていた作業を機械で行うようになって、パートの間でも“この造り方でどこが手造りなんだろうね”“このままだとマスコミが取材に来るんじゃないか”と話していたんです。機械が入って味も変わりました」

 ん? HPで粘着質とさえ言いたくなるほどの、しつこい「手造り」攻勢を目にしたあとでは、頭が混乱するほかない。にわかには信じがたい証言なので、最近まで同じ工場で働いていた元従業員にも聞いたが、

「以前は6台のコンロが2列、計12台のコンロを使って、最大12人で手炊きしていました。そこに今年1月ごろ、1台の機械が導入されましてね」

 と話しはじめた。その機械は、広島県のフジイ機械製作所製の「回転式万能練機」だという。

「高さ140センチほどの機械で、800万円くらいだとか。しばらくはその1台を稼働しながら、何人かが従来通り銅釜で手炊きしていました。当時、テレビの取材が数回ありましたが、そのときだけは使っていない銅釜も出してきて、すべて手炊きしました」

 とはいえ、一定量は「手造り」していたわけだが、

「3月ごろ、さらに3台の練機が導入され、以後手炊きは一切していません。炊き場の担当は機械導入前は15人程度でしたが、いまは少ないと4、5人。10分程度ずらしながら4台すべてを稼働させ、スイッチを入れて60〜70分ででき上がります。1台が1回転すれば、手炊きの6倍の量のキャラメルを造ることができ、4台すべて1日8回転させるのが目標です」

 まさか、という話だが。フジイ機械製作所の藤井康博社長に確認すると、

「花畑牧場は手造りでやっていたんですが、機械でも味は変わらないとのことで、うちの機械を使ってくれています。1台入れて、とてもよかったからと、全部で4台入れてくれました」

 本当だったのだ。

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