メモに表れた“東條の浅薄な天皇観” 「東條英機メモ」が語る「昭和天皇」戦争責任の存否(保阪正康)
「東條英機メモ」が語る「昭和天皇」戦争責任の存否――保阪正康(下)
7月23日付の「読売新聞」が「湯沢メモ」について報じた記事は、開戦前夜、東條英機が昭和天皇の「決意」などを部下2人(内務次官の湯沢三千男と陸軍次官の木村兵太郎)に興奮気味に語ったというものだった。ノンフィクション作家の保阪正康氏は、この“スクープ”をどう読み解いたか。
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開戦前日、東條は天皇に上奏している。『昭和天皇実録』によると、天皇はこの日午前に短時間、陸軍大臣としての東條に会っているが、どのような会話が交わされたかはこの『実録』でも不明である。...