SNSで賛否両論「りゅうちぇる」タトゥー公表 テレビはほとんどスルーのワケ
話題にはしても写真は出さず
もっともな話だが、この番組に違和感を感じた視聴者もいるのではないだろうか。肝心のりゅうちぇるのタトゥーが、番組内ではなぜか写真をなぞったイラストで紹介されたのである。
「テレビ業界では、タトゥーが今だにタブー視されています。放送でタトゥーを入れていることをカミングアウトすることは考えられません。NHKのニュースは報道として出しましたが、原則としてタトゥーを映すのはNGです。ですからワイドショーでも、この問題には触れないんです。アーティストのライブ映像などは別ですが、スタジオのタレントも隠すのが暗黙のルールで、テレビでタトゥーを堂々と見せることはまずありません」(民放ディレクター)
「タトゥー」と言えばファッショナブルに聞こえるが、日本語で言えば「入れ墨」か「彫物」である。入れ墨は江戸時代なら刑罰であり、前科者の証しであることは時代劇を見ていてもわかる。倶利伽羅紋紋に代表される彫物は、言うまでもなく反社会的勢力の証しだ。ちなみに日本では、1948年まで刺青は法による処罰の対象だった。それだけに西洋と違い、日本では未だ忌避される傾向が強いのだ。
そういえば、2002年に安室奈美恵がNHKの紅白歌合戦に出場したときにタトゥーが映ってしまい、03年の時にはタトゥーを隠して登場したことが話題にもなった。
「あれはNHKから安室に要請したと言われています。それほど、タブー視されていたわけです。今回の件では、りゅうちぇるはタトゥーをカミングアウトしたことでファンからどう見られるかよりも、業界では“使いにくいタレント”に見られるようになってしまったことを心配したほうがいいかもしれません。明石家さんまさん(63)やダウンタウンは、なんとか笑いにもっていこうと、りゅうちぇるにツッコむかもしれませんが、本人は『真面目に入れた』と公言してしまっているので、笑いにもっていくことはできません。キャラ的にもイメージダウンでしょうね」(同)
昨今は、芸能界もカミングアウトブームだ。オネエタレントの増殖もその流れといってもいいだろう。いくらタトゥーがタブーとはいえ、本人が“真面目に”考えて入れたというのだから、これでブームに乗ることはできないのだろうか。
「芸能人のカミングアウトとしては、古くは年齢詐称や整形、病気、親・家族、おバカ。最近では収入や体重、スッピン顔などもあります。トークバラエティでは自虐ネタや武勇伝、ぶっちゃけ話などを要求されることも多く、身を削るタレントだって必死です。それでも上手く流れに乗れるとは限りません。昔の万引き話をバラエティ番組でぶっちゃけて、謹慎するハメになった、あびる優(32)の例もありますからね。何でもかんでもカミングアウトすればいいってものでもないんです」(同)
では、業界最大のタブーと言えば……。
「ヅラ、カツラでしょうね。有名人で人気者のタレントでカミングアウトしたのは、綾小路きみまろさん(67)くらいのもの。でも、きみまろさんだって、ヅラを取った姿は絶対にテレビでは見せませんからね。噂レベルのタレントにカツラ話を振るのも、もちろんタブーですし、スタッフだって気を遣います。被り物の演出だってできませんし、台本上でも“カツラ”の単語はNGです。ホント、あの人がカミングアウトしてくれると、こっちも気が楽なんですけどね」(同)
それって、あのワイドショーの人ですか?
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