韓国通の女優「黒田福美」さんが語る、“慰霊碑建設”を妨害した反日団体の正体

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韓国で発売

――黒田さんの著書には、禹守龍氏が投稿した全文も掲載されている。その著書が秋にはハングルに翻訳され、韓国で発売されるという。

黒田:『帝国の慰安婦』で慰安婦は日本軍と同志的な関係にあったと書いた朴裕河(パクユハ)教授は、名誉毀損で訴えられ、今も最高裁で争っていますからね。学者が言論封殺されてしまう国です。私も訴えられるのかと、恐い気もします。なんでも、本書の翻訳を頼むと、次々と逃げ出したそうですから……。でも最近になって、「これだけやってくれた黒田を韓国は裏切ったのではないか」という記事が出たそうなんです。35年間、韓国に献身してきて、「政治も関係なく、時代の犠牲者なのだから弔おうよ」と言った日本人に、あんなことをしたのですから、そういった世論があっても不思議ではない。一般の韓国人は普通の感覚を持っていて、ごく一部の人が、ああした反応をしているわけです。その圧力団体である光復会に乗り込んだ時、2人が対応をしたのですが、先輩格の1人が去ると、帰りがけに残った1人は私のことを「先生(ソンセンニム)」と呼ぶんですよ。彼らの中にも、ひょっとすると、自分たちの行動には無理があると思う人がいるのかもしれません。そうした経緯を、なるべく推量は入れず、事実だけを書いたつもりです。学者や評論家でもない、ただの女優が地べたを這いずり回った実体験を書いたものです。反日団体がどんな言い方をしてくるのか、臨場感が伝わる内容だったという感想をいただいています。韓国の方にも客観的に読んでいただければありがたいですね。

――黒田さんは現在、河野太郎外務大臣(55)の下、「日韓文化・人的交流推進に向けた有識者会合」の有識者の一人を務めている。また、韓国側からは駐日大使館から諮問委員への就任も決まった。潮目が変わってきたのだろうか。

黒田:卓さんの慰霊碑「帰郷祈願碑」は紆余曲折の末、今も京畿道龍仁市にある法輪寺というお寺の境内に半分埋まりながらも、横たわっています。当初の慰霊碑の敷地から撤去されたのち、同じ泗川市のお寺の境内に放置され、それが法輪寺のご住職のご厚意で移され、再建されました。しかし、そこにも光復会がやってきて、また横倒しとなったのが12年のことです。以来、慰霊碑は横たわったままでいるのです。その経緯を本にしたわけですが、それが韓国で発行されるという。実現すれば、これまでの経緯が残り、石碑取り壊しの心配もなくなるかもしれません。私も還暦をすぎましたしね、人生の節目という思いもあります。だからこそ、35年関わってきた友人として、言うべきことは言おうと思って、本当に自分で書いた本なんですよ。

週刊新潮WEB取材班

2018年8月28日掲載

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