朝日新聞「慰安婦誤報」の謝罪記事――ネット民が暴いた姑息な“検索逃れ”

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組織性が高く、虚報より悪質

 ネット上で批判の声が高まる中、一部のネットユーザーが8月23日までにメタタグが消されたことを発見する。すると同日、夕刊フジが「朝日慰安婦報道『吉田証言』虚偽検証の英文記事がグーグル検索回避」の記事を掲載、翌24日には産経新聞(電子版)が「朝日新聞、慰安婦報道取り下げ英文記事で検索回避の設定 指摘受け解除、『作業漏れ』と説明」と報じた。

 両紙とも朝日新聞に取材。広報部は次のように回答した。

「記事を最終確認するため社内のみで閲覧できる状態で配信し、確認を終えてから検索可能な状態にした。その際に2本のタグ設定解除の作業が漏れてしまった」

 しかし山岡氏は「これも虚偽の説明だと疑わざるを得ません。つまり朝日新聞は嘘に嘘を重ねている可能性があるのです」と指摘する。

「ネットユーザーの有志が調べてくださったのですが、朝日新聞デジタルに現在掲載されている日々の誤記を通知する『訂正・おわび』の記事をチェックしてみると、同じように『noindex』『nofollow』『noarchive』のタグが見つかったのです。これは私自身すべての記事で確認しました。こうなると『作業上のミス』という説明を信じることはできません。むしろ朝日新聞社内には『訂正やおわびの記事は、なるべく検索されないようにする』という方針があり、それが慰安婦問題の英文記事にも適用されたと考えるのが自然です」

 朝日新聞は1950年、逃走中の共産党幹部に取材したとする「伊藤律架空会見報道事件」や、89年に同紙のカメラマンが西表島でサンゴ礁に落書きの傷をつける自作自演の「サンゴ記事捏造事件」などを引き起こした過去を持つ。誤報ではなく虚報のレベルだが、山岡氏は「今回の検索回避問題は、悪質性が上回っているのではないでしょうか」と言う。

「これまでの虚報は、記者やカメラマンの暴走と考えることも不可能ではありませんでした。今回の検索回避でも、メタタグが書き込まれていたのが英文の2記事だけだったなら、歪んだ愛社精神で担当社員が暴走したと朝日新聞は抗弁し得たかもしれません。しかし、毎日更新される誤報訂正記事でもタグが見つかったとなると話は違います。組織的な関与を疑わなければならなくなりました。朝日新聞は会社として真実を伝えることを放棄し、誤報を隠蔽して体裁を守り、英文記事に特化して虚偽のプロパガンダ報道を続けることを選んだ可能性があります。右とか左とか政治的な主義主張は関係なく、言論機関の名に値しない行為がなされたことが、純粋なファクトとして浮き彫りになったと考えます」(同・山岡氏)

 ケント・ギルバート氏も「極めて悪質な隠蔽工作であると言わざるを得ません」と厳しく糾弾する。

「普通の新聞社は真実を伝えることに価値を置きますが、朝日新聞は、『せめて英語圏だけでも日本を貶める記事を発信し続けよう』と判断していたのでしょう。ニューヨーク・タイムズも左派的で、朝日のようにプライドの高い新聞社ではありますが、誤報や虚報が発覚すれば、記者を解雇したり、組織としての責任も追及し、その全てを公開して謝罪します。信用を失う怖さを知っているからです」

 だが振り返って、朝日新聞は2014年の謝罪でも、自分たちの責任を全面的に認めて陳謝したわけではなかった。

「朝日新聞は吉田証言が虚偽だとは認めましたが、その検証紙面では『私たちも騙されました』、『他紙も過去に似たような報道を行っています』と自分たちも被害者だと訴えていました。日本人の特長のはずの『潔さ』がまったくなく、ニューヨーク・タイムズとは真逆の姿勢と言わざるを得ません。今回の検索回避の問題でも、私のような弁護士の常識に照らし合わせると、担当部局長の指示で行えるレベルの話ではないはずです。役員会での指示も疑うべきでしょう。今後も粘り強く調査を続けていきます」(同・ケント氏)

 山岡・ケント両氏は回避タグの問題に関して22日、朝日新聞に新規の申し入れを行っている。だが朝日新聞が産経新聞や夕刊フジに送付した回答は不十分だという。

 さらに「訂正・おわび」の日本語記事にも同種のタグが見つかるなど複数の新たな疑問点が浮上したこともあり、27日にも追加の申し入れを行う予定という。回答の期限は共に8月31日を考えている。朝日新聞がどのように対応するのか、多くの注目が集まっている。

週刊新潮WEB取材班

2018年8月27日掲載

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