朝日新聞「慰安婦誤報」の謝罪記事――ネット民が暴いた姑息な“検索逃れ”
検索回避の「メタタグ」が発見される
朝日新聞デジタルで、過去の慰安婦報道での過ちを認めた英訳記事や、日々の誤報を伝える「訂正・おわび」の記事で、インターネット上の検索を困難にするプログラム(メタタグ)を設定していたことが発覚した。自分たちの誤報・虚報は、誰にも読ませない――こんな本音が垣間見えたことで、特にネット上では怒りの声が高まっている。
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原点は、慰安婦報道に関する問題点の追求だった。
その“主役”は2人。アメリカ・カルフォルニア州弁護士のケント・ギルバート氏と、AJCN(オーストラリア・ジャパン・コミュニティ・ネットワーク)代表の山岡鉄秀氏だ。両氏は朝日新聞が作成した慰安婦に関する英訳記事に、重大な“ミスリード”が存在すると指摘、同社に改善を求めていた。
それを契機に、ネットユーザーの有志が独自の調査を行い、朝日新聞の“隠蔽行為”が浮かび上がった。ケント・山岡両氏は「言論を担う新聞社としては自殺行為に等しい」と批判を行っている。
山岡氏は1965年生まれ。中央大学を卒業し、オーストラリアの大学院に進学。修士課程を修了して現地で就職した。「2014年、ストラスフィールド市で慰安婦像を設置する動きがあり、その反対運動のためAJCNを結成したのが全ての始まりでした」と振り返る。
「オーストラリアに住んでいましたので、現地でネットを使い、英語で慰安婦に関する記事を検索する作業を行いました。すると、よく朝日新聞の英訳記事が表示されるのですが、目を通していくうちに、おかしなことに気づきました。慰安婦の英訳である“comfort women”が記事に登場すると、自動的に“who were forced to provide sex to Japanese soldiers”との説明が続くのです。和訳すると『日本兵に対して性行為を強制された慰安婦』です。戦前の日本で、貧困が原因で女性が遊郭などに身売りされることは社会的な問題でしたが、売買春が合法だったのも事実です。しかし英語の“force”には『物理的な力で強制する』というニュアンスがあります。朝日新聞の英文には『旧日本軍が無理矢理に女性の自由を奪い、性奴隷として扱った』というニュアンスが生じてしまうのです」
文筆家の吉田清治氏(1913−2000)は第2次大戦中、朝鮮人女性を慰安婦にするため、軍令によって済州島などで女性を拉致・強制連行したと告白。特に朝日新聞が熱心な報道を行った。
しかし90年代には専門家が証言は虚偽と判断。96年には週刊新潮の取材に本人が「真実を書いても何の利益もない」と創作が含まれていることを認めた。
朝日新聞は2014年8月に検証記事を掲載。「『済州島で連行』証言 裏付け得られず虚偽と判断」と、最終的には吉田証言に依拠した18本の記事を取り消し、誤報を認めた。翌9月には当時の木村伊量社長らが謝罪会見を行った。
「ところが現在でも、朝日新聞の英訳記事は慰安婦問題を報じる時は必ず“forced to provide sex”の説明を付記しています。韓国の文在寅大統領の慰安婦問題に関する発言を報じるニュースでも、大阪市の吉村洋文市長が慰安婦像の問題を巡ってサンフランシスコ市との姉妹都市解消を示唆したという記事でも『性行為を強制された』とし、政府が国連の委員会に『慰安婦の強制連行は確認できなかった』という答弁書を提出したという報道でも『性行為を強制された』とするのです。これでは吉田証言の『強制連行』が虚報だったと謝罪しても、全く意味がありません。しかも姑息なのは日本語の記事には『強制された』との説明はないのです。我々日本人の目が届きにくい英訳記事だけに書かれているのです」(同・山岡氏)
山岡氏の調査内容を知り、「月刊Hanada」(飛鳥新社)が寄稿を依頼。2016年9月号に「朝日新聞の背信」のタイトルで掲載された。反響は小さくなかった。山岡氏は次に何をすべきか考え、知人のケント・ギルバート氏に協力を依頼する。
「オーストラリアで私は英語を使って仕事をしていました。とはいえ、ネイティブではありません。やはり英語を母国語とする方に、朝日新聞の記事をチェックしてほしいと考えたのです。おまけにケントさんは弁護士ですし、日本での知名度が非常に高い。ケントさんが発言すれば、私などより遙かに説得力があると考えました」
早速、山岡氏とケント氏は共に朝日新聞の英訳記事をチェックすることになった。
「すぐにケントさんは『この記事は大問題だ』と私と認識を共にしてくれました。そしてケントさんは、英文は『強制された』と受動態で書かれているにもかかわらず、その主体が『by』で書かれていないことが姑息な印象操作だと指摘したのです。意図的に省略しながら『日本軍が強制した』とミスリードすることを狙っていることが明らかだと。さすがケントさんだと嬉しかったですね」(同・山岡氏)
2018年2月、山岡氏が企画したパネルディスカッションが都内で開催。その会場でケント・ギルバート氏が「朝日新聞は『慰安婦の嘘』を今も英文報道で発信し続けている」との題で講演を行った。
反響は着実に広がっていく。同時に始まったのは署名活動だ。朝日新聞に説明文の使用停止と、記事撤回の再告知を求める。これに賛同する署名は数か月で1万人を超えた。
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