「麻原彰晃」死刑翌日に行われた“お通夜” 妻、三女らファミリー集う

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現状では渡さない

 では、麻原の遺骨はいったい、いつ誰の手に渡るのか。この問いに接した法務省幹部の口調は強かった。

「現状では渡しません。基本的に、相続人の優先順位1位にあたる配偶者に渡すべきではあります。遺骨が法定相続分とすれば、四女へ渡してしまうと妻たちの権利を侵害することは、四女側の弁護士は分かっていたはずなんですが」

 ただ、麻原の遺志を認めて四女側に渡す選択もなくはなかったようで、

「まずは四女側が引き取り、それから代理人が分割協議する流れならばよかったんです。なのに四女側は、すぐ海に散骨するなどと言った。騙せばよかったというわけではないですが、“1回渡してくれ。そのあと、しっかり分割協議するから”との主張ならば、引き渡されていたかもしれない」

 また、次のような別の問題も孕んでいる。

「妻と三女は以前、旧アレフの後継教祖をめぐって対立していました。いまは共闘していますが、いつ拗(こじ)れるとも分からない。いずれにしても、親族間で争いのあるうちは渡せませんが」

 結局、妙案ナシに終わった“お通夜”がお開きとなったのは、日付が変わる少し前。飲み過ぎたのか、弁護士は別室でイビキをかいていた。三女は、“ばらばらだった家族がひとつになろうとしているのに……”と涙ぐんでいたという。

週刊新潮 2018年8月16・23日号掲載

ワイド特集「真夏の夜の夢」より

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