“エスカレーターは学力低い”は過去の話! 「大学付属校」が人気を集める4つの理由

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内部進学を視野に入れつつ海外も

 もう1つの積極的な理由は、 大学付属校であっても、他大学併願が認められやすくなったからだ。従来は、他大学を受験するのであれば内部進学の権利を放棄しなければならなかった。しかし昨今、一定の条件を満たせば、内部進学の権利を保持したまま他大学受験が認められるケースが増えているのだ。一定の条件とは、付属大学に学びたい学部がない場合や、国公立大学あるいは海外大学への進学を目指す場合などである。中央大学や法政大学がそのような方針で知られている。

 AO入試の広まりも、大学付属校生の選択肢を広げている。一般受験での他大受験を認めていない大学でも、早めに合否の決定するAO入試であれば受験してよい場合が多いのだ。しかも、AO入試であればいわゆる予備校的な受験勉強は不要。それこそ大学での学びにつながる学習を積んできた大学付属校生に有利である。学校で取り組んだ探究学習の成果を、そのままAO入試の小論文の題材にしたり、面接でのアピールポイントに使用したりということも可能だ。

 つまり12歳や15歳で大学付属校を選んでも、それは必ずしも出身大学を規定することにはならないということだ。

 以上のように、首都圏には複数の進学ルートがあり、それぞれに得られるメリットが違う。最終的にどの大学に行けるかという学歴主義的な観点でなく、思春期を過ごす環境としてどのような環境設定が望ましいのかという観点で進学ルートを選択してほしい。

おおたとしまさ
育児・教育ジャーナリスト。1973年東京生まれ。麻布中高卒、東京外国語大中退、上智大卒。リクルートから独立後、教育誌等のデスクや監修を歴任。中高教員免許を持ち、私立小での教員経験もある。『ルポ塾歴社会』など著書多数。

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

特別読物「人生の岐路は12歳! 『公立中学』か『中高一貫校』か『大学付属』か 我が子を進学させるべきはどっち?――おおたとしまさ(育児・教育ジャーナリスト)」より

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