“いい大学に行くため”だけではない「中学受験」のメリット 高校受験を回避する意味

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公立中学? 中高一貫校? 大学付属? わが子を進学させるべきはどっち?――おおたとしまさ(1/3)

 実は12歳は、思春期をどんな環境ですごすかの選択を迫られる人生の大きな岐路だ。地元の中学か、受験して中高一貫校に進むか、それなら国立か、私立か、それとも公立か。大学付属校を選ぶか。我が子が進む道を選ぶ前に、すべての親が必読のガイドである。

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 首都圏で子育てをしていると、12歳で選択を迫られる。中学受験をするかしないかという選択だ。東京都区部における2017年のデータでは、約4分の3の小学生が地元の公立中学校に進学している。逆に言えば、約4分の1が、何らかの形で中学受験をしていることになる。首都圏以外にも関西の大都市部、広島、高知で中学受験文化が発展しており、似たような状況が見られる。

 最終学歴だけを気にするのなら、地元の公立中学校から公立トップ校に進むという方法が最も安上がりではある。実際、ほとんどの地方ではそれが学力上位層の王道である。しかし首都圏の場合、 事情がやや違う。

 たとえば都立トップ校は日比谷高校、西高校、国立高校で、たしかに私立の人気進学校に匹敵する大学合格実績を出している。しかしそれ以外の公立高校の進学実績は、たとえ進学指導重点校や進学指導特別推進校であっても私立の中堅校と大差がない。

 つまり、最近は都立高校の進学実績が上がっているからと、「いい大学」に行くためにあえて中学受験を回避して高校で勝負をすると決めたのなら、高校受験で日比谷や西、国立に合格できないと作戦失敗ということになる。無論、中学受験という選択の価値は「いい大学」に行くためではないのだが、「都立復権」という四字熟語は、まゆにつばをつけて読む必要がある。

 中学受験をする場合、さらに選択が4つに分岐する。すなわち、私立中高一貫校に進学するか、国立中高一貫校に進学するか、大学付属校に進学するか、あるいは公立中高一貫校に進学するかである。

 公立中高一貫校にチャレンジする場合、建前上、学力試験ではなく適性検査を受けることになるので「中学受験」ではなく「中学受検」の漢字を使うのが一般的だが、この記事では便宜上どちらも「中学受験」と表記する。

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