ボストン美術館が“至宝の絵巻”を所蔵するワケ〈誰が「国宝」を流出させたか〉
誰が「国宝」を流出させたか――中野明(1/3)
海外には「日本にあれば国宝間違いなし!」といわれる日本美術の名品が多数存在している。誰が持ち去ったのか? なぜ、そこにあるのか?――『流出した日本美術の至宝』(筑摩選書)を上梓したノンフィクション作家の中野明氏が、その一端をやさしく解き明かす。
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五月晴れの一日(いちじつ)、大阪のあべのハルカス美術館で開催していた「ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信」(現在、福岡市博物館に巡回中。8月26日まで)に足を運んだ。春信は18世紀後半に始まる錦絵にあって、その創始期の第一人者として知られる。...