【スリランカ・ニゴンボ】カレーに潜んだ鰹節の旨味
旅の文章というジャンルで圧倒的に面白いのは『火宅の人』の作者として知られる檀一雄。彼は『朝市、昼市』というエッセイで、こんなことを書いている。
「世界の、あちこちの町をうろつく時に、その町の食べ物を食べ、その町の飲み物を飲むんでなかったら、旅の意味が薄れるだろう」
まさにその通りで、旅のすべてが食べることであるとは言わないが、少なくとも私にとっては、「旅」と「食」は分かちがたく結びつけられた永遠のテーマとなっている。旅に行けば、そこでしか見かけない食べ物を探して食べる。...