山田孝之、菅田将暉W主演「dele」 深夜ドラマならではのシンプルな面白さ
野菜同様、不作続きのこの夏のドラマ――だが、めぼしいドラマが深夜に1件見つかった!という、コラムニストの林操氏に解説を願った。
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タレに漬け込んだ安い肉を焦げるまで焼くと焼肉は苦行になるわけですが、いい肉をサッと炙って軽く塩だけ振るなら至福。もう夜中で日付まで変わっちゃったけど、今からそういう肉を喰いたいなぁ……。
なんて具合に贅沢な飢えに苦しんだのは、テレ朝系の深夜ドラマ「dele(ディーリー)」(金曜23時15分~)の第2話を見終わってのこと。いや、つくづく感じたんですよ、やっぱりシンプルっていいなぁと。
主演は山田孝之(34)と菅田将暉(25)で、これに麻生久美子(40)が加わって、レギュラー陣はこの3人のみ。プライムタイム(19~23時)の連ドラのように名の売れた役者がゾロゾロ出てくるのに見どころは少ないなんていう無駄がない。
タイトルの「dele」とは校正用語の「トル」と同じ意味の英語で、山田がやってるのは、クライアントが死んだ後、PCやスマホに残る個人データを削除するビジネス。車椅子に乗った気難しい山田の最新の手下が体も口も軽い菅田という配役だから、物語の類型としちゃ、これまた単純な相棒(バディ)モノだし、女で唯一カラんでくる麻生は、どうやら独身ながら、やり手の弁護士にして山田にとっては実の姉だわ、菅田にとっては遥か年上だわで、話が好いた惚れたの恋愛方面に転がる気配もない。
そういうふうにいろいろシンプルな理由は、第一には予算の縛りのキツい深夜ドラマだから、ではあるんでしょう。でも、「dele」を見ていて思うのは、選択と集中の思い切りのよさ。それがよくわかるのは配役で、まず毎回の登場人物の数がゲスト陣を合わせても1ケタに届かないところまで抑えつつ、レギュラー陣には山田・菅田・麻生というニッポン映画界および好きモノTV界のお気に入り3人を押さえて、脇役は知る人ぞ知る級およびそれ未満のクラスでまかなってる。
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