秘境「インターナショナルスクール」を徹底解剖 教育の理想郷なのか、それとも…
雨後の筍で玉石混淆
東京インターナショナルスクールは、学校教育法上では各都道府県が認可する「各種学校」に分類され、義務教育機関とは認められていない。また、「各種学校」ですらなく、実質的に「私塾」と変わらないインターナショナルスクールも多数存在する。つまりインターナショナルスクールだけに通っても、義務教育を受けたとは認められない。
義務教育課程でインターナショナルスクールに通うためには、たてまえ上、公立の小学校や中学校に籍を置き、「不登校」の扱いにしてもらう。それを積極的に認めてくれる学校と、そうでない学校とがあると、坪谷さんは言う。
そもそも「インターナショナルスクール」という概念が非常に曖昧だ、と坪谷さんは指摘する。
「もともとは、親の都合でやむなく外国で教育を受ける子供たちのための多国籍な学校という意味合いでした。しかし、その概念が揺らいでいます。この5年で、中東やアジアではインターナショナルスクールが倍増しましたが、生徒の7〜8割が自国の子供たちだったりします。『欧米式のプログラムを取り入れた、もしくは英語を教授言語とする学校』というほどの意味合いで受け入れられています」
学校の教育課程を規定する主要な国際基準は、ケンブリッジ大学のAレベル、アメリカ式のSATおよびAP、そして国際バカロレアの3種類。このいずれかに準拠している学校をインターナショナルスクールと呼ぶ傾向にあるという。
「中には白人や黒人など、いかにもインターナショナルスクールっぽい外見をしていれば、授業料を無料にするという学校もあります。そうやって“環境”を整え、自国民のお客さんを呼び込もうという戦略です」
グローバルな教育を受けさせたいと思う富裕層をターゲットにしたインターナショナルスクールが、雨後の筍のようにできているというのだ。
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