奨学金返済、留学、起業――パパ活女子、それぞれの事情 “ストーカー化”などトラブルも
年収600万円のパパも
とまれ、行われているのは事実上、売春だから、法に触れるか否かのきわどい行為であるには違いない。
「仲介業者が初回のデートのみセッティングしているのなら、その後の交際は関知するところではない。すると初回が問題で、そこで売春が行われるという認識があって斡旋しているなら、売春防止法違反となる可能性があります。しかし、実際に肉体関係が結ばれたと証明するのは困難で、摘発は難しいと思います」
弁護士の園田寿氏が説く。だが、打算まみれの他人同士が急接近するわけだから、トラブルは尽きない。さるデートクラブ関係者は、
「女性を本気で好きになったパパが、ストーカーになったこともあります」
米山氏のように、好かれたい願望が強いパパは珍しくないようだ。また、
「行為中にコンドームが外れた、避妊してもらえなかった、というケースも多い。女性がホテルで男性のカードをスキミングし、1日で100万円以上使われたトラブルもありました。あと、肉体関係をもった女性が自分の娘の友だちだったというケース。女性が娘を訪ねてきてわかったそうで、でも、その後も関係を続けているそうですけどね」
アプリを使ったパパ活は、手軽な分、さらにトラブルが多いという。パパ活関係の被害相談を受けているある女性によると、
「女の子から毎日、20〜30件の相談がきて、一番多いのはドタキャン、次がお手当をもらえなかった、というもの。ネットバンキングで入金するのを見せられて安心してたら、取り消されていた、食事後にトイレに行った男性がそのまま帰ってしまい、食事代を払わされた、という例も」
アプリによってパパ活事情が変わってきたそうで、
「この1、2年、年収600万円くらいのパパも増え、トラブルにつながっている。女の子も低年齢化し、女子高生が年齢詐称してパパに会って、“未成年にはお金を払えないと言われた”と訴えてきたことも。クレジットカードをパパに渡したら行方をくらまされたとか、本名を伝えたらSNSのアカウントを特定され、付きまとわれた挙句、“友だちにばらすぞ”と脅されたケースもあります。いざパパに会うと風俗嬢のスカウトマンだった、という話も聞こえてきます」
単に遊ぶカネ欲しさから手を染めたのなら、自業自得とも指摘できよう。だが、昨今充実の奨学金で人並みに学べたと喜んだのも束の間、就活や妊活の前にパパ活を余儀なくされ、挙句はトラブルに、というのは皮肉にすぎる。しかも、それを知らぬは親ばかり。
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