あの“迎賓館”も槍玉に 「パソナG」季節外れの株主総会

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前年度は赤字

 一方的にオアシスの攻撃に晒されていたパソナGだが、これまで表立って反撃できない理由があったという。人材派遣業に詳しいアナリストの解説では、

「2017年5月決算は1億2900万円の赤字でした。一方、オアシスは“パソナGの営業利益率1・6%は業界平均を大きく下回り、自分たちの意見を採用すれば5・9%まで改善する”と主張している。つまり、低利益率で赤字のパソナGが反撃しても、説得力がなかったわけです」

 また、パソナGにも油断があったのではないかとの指摘もある。

「パソナGの株主構成は筆頭株主の南部社長が37・29%、南部家の資産管理会社である南部エンタープライズが9・44%と、両者で46・73%を占めている。しかも、会長にはあの竹中平蔵元経済財政担当相が就いている鉄壁の守りを築いています。南部社長も、まさか外部から攻撃されるとは夢にも思っていなかったのではないでしょうか」(先の記者)

 18年5月決算で、パソナGは最終利益12億8800万円の黒字に転じた。

「オアシスも、株主総会で自分たちの主張が認められるとは考えていません。今回の株主総会でも株主提案はしていませんが、総会直前にサイトなどで“意見表明”をする可能性は否めない。仮に、オアシスが従来の主張を繰り返すだけだとしても、一般株主への影響は決して小さくなく、南部社長の信任率が例年より下がるかもしれません」(同)

 で、パソナG広報室に対抗策を聞くと、

「特定の株主様とのやり取りは、回答を控えさせていただきます」

 両者の攻防は幕を開けたばかり。南部社長の熱い夏はしばらく続きそうだ。

週刊新潮 2018年8月9日号掲載

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