「ハンカチ王子」誕生に見た“75年前の因縁が呼んだ奇跡”――「夏の甲子園」百年史に刻まれた三大勝負
「夏の甲子園」百年史に刻まれた「三大勝負」――門田隆将(3/3)
甲子園では、運命としか考えられないような出来事が時に起こるものである。
駒大苫小牧と早稲田実業との決勝戦が、まさにそれだった。こんなことが本当に起こるのか――私は、決勝戦を見ながら、そんなことを考えていた。
平成18年8月21日、両校の激突は、前日の延長15回引き分けに続く再試合が大詰めを迎えていた。4対3、早実のリードで駒大苫小牧の攻撃、9回表2死ランナーなし。マウンドに仁王立ちするのは、“ハンカチ王子”こと早実の斎藤佑樹投手。...