立民「枝野代表」が記録した“演説最長”の自己満足 歴史に学ばない「小沢カード」の愚

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またぞろ「小沢カード」

 そんな枝野氏は、たびたび自らを「保守」と称し、20日の趣旨説明でもこう大見得を切っている。

「立憲主義も保守主義も同じ考え方でありますので、私こそが保守本流であるということを、自信を持って皆様に訴えているところであります」

 しかし、保守が歴史に学び、それを重んじるということであれば、彼はその対極に位置する。

「なぜなら」

 と、大手メディアの政治部デスクが解説する。

「最近、枝野さんはたびたび、小沢さん(一郎・自由党代表)と会食し、連携・協力していくことを確認し合っています。でも、1993年に誕生した細川連立政権以来、小沢さんが絡んだ政局が悉(ことごと)く失敗してきたことは改めて言うまでもない。何だかんだ言って、最終的には『小沢アレルギー』で仲間割れするということを繰り返してきた。今さら小沢さんを巻き込んで野党協力と言われても、既視感が溢れ、取材するにも徒労感が募るばかりです」

 細川連立政権下で、小沢氏と対立し、振り回された経験を持つ武村正義元官房長官が苦言を呈する。

「小選挙区制を前提とする限り、野党は“大異”を超えてでも候補者を一本化するしか術がない。とはいえ、小沢さんに関してはそろそろ引退されてもいいのではないかという印象を強く持っています。彼は政局の人であって政策の人ではない。そのことを念頭に置いて小沢さんと付き合わないと、また失敗を繰り返すと思いますがね」

 93年から現在まで四半世紀が経過している。それはもはや、日本政治における立派な「歴史」だ。小沢氏を引き入れると結局は内ゲバになる――この「歴史的事実」を踏まえられない政治家に、保守の称号はあまりに似つかわしくない。

週刊新潮 2018年8月2日号掲載

特集「口舌の徒ばかり! 『野党ボスたち』通信簿」より

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