「羅生門」「七人の侍」「砂の器」脚本家、橋本忍さんの構成力(墓碑銘)

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 この人の存在なしに、今日の日本映画の発展はなかった。故人を偲ぶ週刊新潮のコラム「墓碑銘」から、橋本忍さんの功績を振り返る。

 映画は監督の名前で語られがちだが、映画の設計図である脚本があってこそ。

 橋本忍さんは戦後の日本映画界を代表する脚本家だ。黒澤明監督が「羅生門」により世界で注目されるようになったのは、橋本さんの脚本が原点である。芥川龍之介の「薮の中」を原作にした脚本に黒澤監督は興味を示し、映画化を望んだ。

 黒澤監督は自宅に橋本さんを招いた。...

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