両陛下が利尻島を初訪問 お出迎えに手旗3500本、見学先は「緊張」

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 今年は、蝦夷地から北海道に名称が変更されて150年の節目だ。天皇、皇后両陛下は、8月5日に札幌で開催される記念式典に出席される予定。もう1つのハイライトは、その前日に日帰りながら空路で利尻島を初訪問されることだ。

「実は、両陛下は2011年5月から6月にかけて利尻島をご訪問する計画があったのです」

 こう語るのは、ある皇室ジャーナリストだ。

「その年の3月に東日本大震災が発生して延期になり、翌年には天皇陛下が心臓の手術を行われたことで中止になってしまいました。今回の訪問は、天皇陛下の強いご希望だと聞いています」

 宮内庁によれば、両陛下は、利尻島でアカエゾマツの原生林に囲まれたオタトマリ沼や、ウニ種苗(しゅびょう)生産センターを見学される。

 利尻町役場が管理するウニ種苗生産センターは、寿司ネタで知られるエゾバフンウニやキタムラサキウニなどを養殖している。同センターに聞くと、

「両陛下がお越しになるのは、大変光栄なことですし、緊張します」

 天皇陛下はハゼ類の分類が専門で日本魚類学会の会員でもある。また、昭和天皇は自らウニを採取して研究されていたという。今回、陛下から専門的なご質問も飛び出しそうだが、

「センターの概要とウニの採取、孵化、放流までの流れをお話ししたいと考えています。滞在時間はそれほど長いとは聞いていないので、専門的なご質問は出ないと思いますが……」(同)

 1カ月ほど前、利尻島ではいるはずのないヒグマが確認されたばかり。一時、島内では“厳戒態勢”が敷かれていたが、

「最近は目撃情報も、被害報告もありません。3500本の手旗と横断幕などを用意してお出迎えの準備をしています」(利尻町役場)

 利尻島の8月の平均最高気温は22・2度。とはいえ、列島は“災害”酷暑が続く。両陛下の初訪問の実現を祈るばかりだ。

週刊新潮 2018年8月2日号掲載

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