中村吉右衛門が仰天告白 〈ガス管をくわえたことも…〉
思わず目を疑う一節だった。日経新聞のコラム「私の履歴書」、7月は二代目中村吉右衛門が登場。その18日付の中ほどに、
〈ガス管をくわえたこともありました〉――
いわずと知れた歌舞伎界の大御所、人間国宝でもある吉右衛門。だが華やかな経歴とは裏腹に、悩み多き道のりであった。今回の「履歴書」では、若かりし頃の苦悶する姿も赤裸々に描かれている。先の文は、22歳で二代目襲名後、思うような舞台に恵まれず、「このままでは名跡を汚してしまう」と思い詰めての一場面だ。...