創業者は「山口組系」組織のテキヤ 大阪城のたこ焼き屋が“1・3億円”も脱税できたワケ

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 大阪城公園のたこ焼き屋の店主が、1・3億円の脱税――そんなニュースが報じられたのは7月25日のことである。つづく8月1日には“無期限営業自粛”となったことが明らかに。8個600円のたこ焼きを売る店が、億単位の脱税をできるまでに繁盛したワケとは。

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 件のたこ焼き屋「宮本茶屋」は大阪城公園の中、天守閣に通じる桜門の前にある。メニューにはたこ焼きほか、うどん500円、ラーメン700円など。このたび国税に摘発されたのは、経営者の宇都宮タツ子氏で、2014年からの3年間で5億円の売り上げがあったというから驚きである。

 宮本茶屋は、すぐ近くにある「豊国神社」の土地の上に建っており、このたびの営業自粛も、同神社のHPで発表されている。

「元々はタツ子さんのご主人が1975年頃から神社に土地を借りていた。地代は無償。ご主人が11年前に他界し、その後はタツ子さんが経営者としてやってきた」

 と説明するのは、タツ子氏の代理人弁護士である。確定申告をしていなかったのはご主人の時代からで、「タツ子さんにそういう頭がなかった」そう。家族が交代で店に立つ個人経営の宮本茶屋が大繁盛した理由については、

「売り上げが急激に伸びたのは、インバウンドの影響。ここ5~6年で状況ががらりと変わり、今では客の9割以上は外国人。観光バスで来て、大阪城を見て、たこ焼きなどを買っていく」

 という背景があるほか、周囲にライバル屋台がないことの影響も大きいという。宮本茶屋以外にも多くの屋台が並んでいた大阪城公園だが、橋下徹市長時代の2015年に公園の運営が民間委託となるまでに退去した。

「宮本茶屋はあくまで神社の土地に建っているので、あの橋下さんでも排除できなかった」(大阪市政関係者)

 絶妙な立地に店を構えることを決めたタツ子氏の夫・武彦氏(仮名)は、指定暴力団「山口組」傘下の組織に属するテキヤだった。

「ご主人は刺青入ってたし、指も落としとった」(タツ子氏の自宅近所の商店主)

 と、なかなかの人物であったようである。8月2日発売の週刊新潮では、たこ焼きで大儲けした一家の“家族の肖像”を掲載している。

週刊新潮 2018年8月9日号掲載

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