記者泣かせ「遠藤」の沈黙 祖父が明かすその理由

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 懐かしの連想ゲーム。ヒントが「遠藤」なら、少なからぬ人が「沈黙」と答えるのではないか。言うまでもなく、周作先生の代表作だが、だからといって、大相撲の遠藤まで沈黙しなくてもいいのに……。

 名古屋場所は2場所ぶりに勝ち越したが、千秋楽は225キロの巨漢、逸ノ城に吹っ飛ばされて4連敗。無愛想なのも無理はないが、

「遠藤は勝っても負けても、とにかく記者には喋らないんです」

 と、スポーツ紙の相撲担当記者は嘆き節だ。

「場所中は、取組後に風呂に入り、支度部屋に引き上げて、髷(まげ)を結い直してもらいながら記者に囲まれます。でも、遠藤はほとんどなにも話しません。ずっと目を閉じ、質問が出ると答えるまでに間がある。それが長すぎると、われわれは“喋らないんだな”と判断して、次の質問に移ります」

 だが、記者のことは観察しているようで、

「とんちんかんな質問は無視するし、初めて見る顔にもまず答えない。“客席からこんな声がかかりました”など観客について聞くと、比較的応じるものの、答えてもものすごく小さな声で、取り囲んでいる記者たちの一番前にいても、正面でないと聞こえないほどです。記事を書く側としては、本当に困ります」

 別の相撲記者からも、こんな話ばかりである。

「4月1日、伊勢神宮での奉納大相撲の際、遠藤は巡業部屋で囲み取材を受けましたが、いつものようにほとんど話さなかった。驚いたのはその後の巡業中の態度で、“奉納大相撲のとき喋ったのだからもういいだろ”と言って、なにも喋らなくなったのです」

 だから、永谷園のCMでの笑みは「渾身の演技」というのが記者の間の定説だが、実は喋らないだけではない。冒頭の記者によれば、

「普段も部屋にこもって出歩かないし、飲みに行かず、目撃情報もゼロ。趣味はない。もちろん『沈黙』も読んでいないでしょう」

 出歩かなければビール瓶で殴られる心配もないとはいえ、記者はみな嘆く。

「なにを考えているかまったくわからない」

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