不幸な天才芸人と言われる「インパルスの板倉」 第2の「バカリズム」になれるか

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お笑いの現場で殺してくれ

 3月10日に放送された「さんまのお笑い向上委員会」では、板倉は売り出し中の漫才コンビ「カミナリ」に対し、「先輩が不幸な時に売れるのは非常識だ」と、とんでもないイチャモンをつけたのである。

板倉:俺は先輩じゃない? 俺が大変だっていうのを知っていながら、その間に売れるって非常識じゃないかな。

 スタジオからも「考えすぎ」と声がかかる。司会のさんまも「休んでいる時に出てきたんや、たまたま」とカミナリをフォローするも板倉は構わず続ける。

板倉:俺が大海原でバシャバシャ溺れている横を、ボートでブーンって行ったんだよ。それってさあ、何も思わなかったの? 「あれ、俺ら売れちゃってるけど、今の板倉さん考えたらダメだ、売れるのやめよ!」って考えなかった?

 さらに板倉は腐り続ける。

板倉:俺なんか去年の下半期は、アイツのクレーム受付窓口になっちゃって、俺が悪いみたいに言われてたんだよ! その対処に追われてさあ、ネタ作るどころじゃないよ! そんな中さあ、すげえ面白いネタやってさあ……。

 腐りつつも若手を誉め、そして今田耕司(52)に問うのだ。もし、さんまが大変な時に自分にいいことがあっても、さんまに悪いと思わないか、と。「もちろんだ」と応じる今田。それを受けて再度、カミナリに問いただす――。

板倉:そういうふうに思わなかった? 俺がもう一度、這い上がってくるまで、売れるの待とうと思わなかった?

カミナリ・石田たくみ:(さんまと今田は)そういう関係性があるから……。おめえ、関係ねえ!

 と、板倉の頭を力一杯どつく。この日がほとんど初対面らしい。これに対して――、

板倉:そのまま殺してくれよ! お前の神の右手で俺を殺してくれよ! 殺せ! 殺せよ! 最後のお笑いの現場で殺してくれよ! 伝説にしろ! 俺を伝説にしてくれよ!!

 ここまでの自虐、やさぐれ芸は、なかなか見られるものではない。そして明石家サンタで獲得したペアチケットをカミナリの2人にあげるというオチまでつけた――。もともと板倉には天才肌との評価があったという。

何でもやります

「インパルスのネタは全部、彼が書いていたし、これまでに3作の小説を書いていて、ハードボイルド小説『トリガー』は漫画化されたほど。もともと才能のある芸人として評価は高く、今田耕司や東野幸治(50)もめちゃくちゃ買ってます。最近は、バカリズム(42)がドラマ脚本家として成功したことに触発されて、自分で脚本も書いているとか。インパルスのネタも彼が全部書いていたし、そう遠くないうちに脚本家デビューの可能性はありますね」(前出・放送作家)

 となれば、相方・堤下の帰ってくる場所もなくなるのか?

「事務所的には、解散という方向も視野に入れているでしょう。堤下も実力はあったのでもったいないのですが、とにかく後輩や若手スタッフから人気がなかった。『品川庄司』の品川祐(46)がかつてどやしつけていたADが出世してしまい、使われなくなったのと同じパターンですよ。一方で板倉は、『今はもう何も失うものはない、何でもやります』と言っていますから、間違いなく仕事は増えるでしょう。これまで大御所とのカラミがなかった板倉ですが、さんまさんも彼を気に入っている。才能ある者は誰かが引き上げてくれるもんですよ」(同・放送作家)

 大海原に拾う神あり。

週刊新潮WEB取材班

2018年7月30日掲載

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