内紛で見せ場が中止に 400年の伝統「阿波踊り」を中止に追い込む阿呆ども

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“連”も分裂

 改革の動きを阻止せんと動いたとされるのが、当時徳島市長に就任して半年ほどの遠藤彰良市長だった。一昨年、近藤会長に辞任を迫って来たという。

「市長は、徳島新聞系列の四国放送の元アナウンサーで、徳島新聞社長と非常に親しい。阿波踊りに関する権利をすべて握りたいとする徳島新聞の要望を忖度し、私のところへ来たのだと思います」(近藤氏)

 これにより、両者の対立は激化。昨年、近藤氏が公務員職権乱用罪と強要罪で告発すると、対する市は観光協会の破産手続きの開始を徳島地裁に申請、遠藤市長を委員長とする阿波おどり実行委員会も新たに立ち上げた。

「踊り子団体の“連”も分裂しました。多数の連をまとめる阿波おどり振興協会は観光協会支持に回り、一時は市と観光協会それぞれで開催するとまで言われていたのです」(前出の記者)

 だが、今年5月に高松高裁が観光協会の抗告を棄却し、事実上の解散が確定。

「観光協会側に付いた振興協会は、阿波踊り名物とされる、南内町演舞場の総踊りを実施してきました。実行委員会は、4カ所ある演舞場に均等に連を出してチケットの売り上げアップを狙うという理由で、阿波踊りの象徴でもある総踊りの中止を決定したのです。実際は、振興協会の締め出しとしか思えません」(同)

 遠藤市長は、

「徳島新聞に忖度をしたことなど誓ってございません。観光協会は徳島新聞を外し、広告代理店と組もうとしました。徳島新聞を追い出したら、税金で赤字を埋めなければならなくなる。だから、観光協会会長に職を辞めて頂くようお願いしたまで。振興協会を総踊りから締め出したわけでもありません。実行委員会が決めたことを気に入らないと向うがボイコットしただけです」

 内紛によるイメージダウンと、総踊りがなくなったことが影響しているのだろうか、例年に比べてチケットの売り上げが伸び悩んでいるとされる。このまま、総踊りをなくしたら……。

週刊新潮 2018年7月26日号掲載

ワイド特集「夏の家族ポートレイト」より

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