アメリカで辛酸「有村智恵」涙の6年ぶりV

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「長い日々がやっと終わったのかなと思いました」

 イーグルポイントGC(茨城県)で行われた「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース」(優勝賞金1080万円)で優勝した有村智恵(30)の第一声である。6年ぶりVは通算14勝目。目からは涙が溢れていた。

 有村といえば、2009年に5勝するなど一世を風靡したゴルファー。12年に自身2度目の年間獲得賞金1億円超えを果たすと、勢いを駆って翌13年、米ツアーに本格参戦した。

 ところが、左手首の故障もあり、成績は急降下。優勝会見で、有村は当時の心境をこう語っている。

「(自分を)信じて打ってもまたガッカリさせられる、期待してもガッカリさせられる、とガッカリな気持ちでどんどんガッカリに。心が死んでいるというか。今でも覚えているんですけど、13年10月の試合で、何をやっても球が思い通りにいかず、完全に心が折れた。ラウンド中にあんなに涙が出てきたのは初めてでした」

 テレビ中継は基本的に調子のいい選手しか映さない。だが、中にはこのようなボロボロの精神状態でプレーしている選手もいるのだ。

 そんな状況から彼女はいかにして抜け出したのか。

「一番の敵は、良い時の自分に早く戻りたいと思う自分でした。少し調子が良くなると良い時の自分と比べてしまっていたんですけど、それをとにかく止めようと。去年の自分、昨日の自分より良いと思えたら前に進める。ただそれだけでいい」

 16年、故郷熊本の震災を機にシーズン途中で国内ツアーに復帰。先月はプレーオフで2位になるまでに復調していた。

「11年、12年とは違うゴルフが出来ている。だから、まだまだ成長していけると思っています」

 ニュー有村、三十にして立つ。

週刊新潮 2018年7月26日号掲載

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