“反原発”でタッグの76歳 「小泉純一郎」「小沢一郎」の大放談

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 かつての“百獣の王”も“剛腕”も、齢76になれば牙が抜けるということか。

 15日、自由党の小沢一郎代表が主宰する政治塾で、小泉純一郎元首相が講演した。

「思いがけないお招きに、これは間違いじゃないかなと思った」という、小泉氏の発言からも、2人の関係性が読み取れる。

 政治ジャーナリスト鈴木哲夫氏の解説。

「約30年前、経世会で非ずんば人に非ず、とまで言われた時代、その中心に居たのが剛腕・小沢さんでした。そして反経世会として、山崎拓元副総裁らと共に真っ向から対立したのが、小泉さん。一番溝が深かったのはこの頃でしょうね」

 1993年に自民党を飛び出した小沢氏。17年前に開かれた小沢一郎政治塾では、時の小泉政権を、「思い付きのパフォーマンスで国民の期待感を呼ぶが、現実の政治は全く変わっていない」と、批判していた。そう考えると、同じ会場で2人が笑顔で握手する光景は不思議に思えてくる。

「野党結集の軸を作りたい小沢さんと、反原発を唱える小泉さんの主張が噛み合って実現した」(鈴木氏)

 講演会の内容はいかに。

 小沢氏との思い出話は程々に、東日本大震災を契機に考えが変わったと原発批判を展開。このまま続くかと思いきや、薩長同盟の話や、石油危機の話に飛んだりする。見渡せば、船を漕ぎ始める塾生もチラホラ。

 変化に対応すべしという話では、70歳を過ぎてからウィスキーが飲めるようになった、と話はあらぬ方向に。お疲れなのか、琥珀の美酒を思い出したか、少々呂律が回らなくなってきたところで講演会は終了した。

「その後、ホテルニューオータニの懐石料理屋にて宴席があり、2人は日本酒や焼酎を飲んで昔話に花が咲いたとか」(政治部デスク)

 そこは講演会で熱弁したウィスキーを嗜んでほしかったが、放談を真面目に聞くなという小泉流の暗示か。

週刊新潮 2018年7月26日号掲載

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