斎藤工「♪仕事(バイト)探しはIndeed」のCMがウザがられない理由

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広告大賞では「正攻法」と評価

 1本1本のCMを制作する際には、クオリティにこだわったという。

「実際にCMを制作してくださる皆さんと一緒に、映像のクオリティにはこだわりました。シンプルなメッセージを、何度も伝えるCMなので、『安かろう悪かろう』は絶対に避けたかったですね。CMを制作する業界の方なら一目見ただけで理解してくださると思いますが、デザイン的な観点で計算された動きとか、音楽の入れ方とか、テンポとか色味とか、世界観というか美術というか、そうしたところのクオリティは相当に高いはずだという自負があります。そこには『私たちは実のところ、世界で最も利用されている求人サイトなんです』というブランドの格というかポジションを理解してほしいというメッセージも内包されているんですね」(同・水島さん)

 その結果は大成功というわけだが、だからこその悩みがある。水島さんは「次のCMシリーズを、いつどんなタイミングでやるかということは大問題です」と苦笑する。

「僕自身は『替えるという明確な理由がない限りは続けるべき』というセオリーを持っています。ただ、いつかは社内でも『いつまで継続するんですか』という質問が出るでしょうし、SNSでも『もういいよ』という意見が目につくようになってくるかもしれません。そうした声に対し、どう抗っていくかというのは、僕にとってのチャレンジかもしれないと思います」

 IndeedのCMはフジサンケイグループ広告大賞で「メディアミックス部門優秀賞」に輝いた。伝える産経新聞の見出しは「メディアミックス部門優秀賞 インディード ジャパン 正攻法でダントツの知名度」(電子版・4月14日)となっている。

 これまで見てきた通り、IndeedのCMを一種の“変化球”と受け止めている方もおられるだろう。「陳腐でない、新鮮である」という意味では、そういう側面もあるに違いない。

 だが、15秒で伝えるメッセージを鮮明にし、受け手の顔を正確に思い描きながらCMを作ってきたのだ。確かに“正攻法”だろう。むしろCMの基本に忠実だと言えるのかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2018年7月26日掲載

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