斎藤工「♪仕事(バイト)探しはIndeed」のCMがウザがられない理由

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会社の知名度も好感度も、飛躍的にアップ

 オリコンニュースは7月4日、「上半期CM放送回数ランキング 女性は綾瀬はるか、男性は斎藤工が1位」の記事を配信した。

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 テレビ番組・CMのリサーチを行うエム・データという会社が調査したという。男性部門の記事は、こんな具合だ。

《男性部門では、インディードやワイモバイルなどのCMでコミカルな演技を見せる斎藤【7869回/12万2415秒】が、昨年の年間4位から上昇して1位。2位はソフトバンクや味の素のCMに出演する竹内涼真【7676回/13万440秒】が、昨年の年間ベスト10圏外から大きく飛躍し、3位はauの三太郎シリーズで金太郎を演じ昨年の年間王者だった濱田岳【7401回/12万4350秒】が安定的な強さを見せた》

 男性のベスト3は引用の通りだが、女性は1位が綾瀬はるか、2位が上戸彩、3位が広瀬すず――の順になっている。

 では、Indeed(インディード)のCM自体は、どのような評価を受けているのか。例えば、日経エンタテインメントは2月1日「斎藤工、泉里香のIndeed 千鳥が加わりCM好感度4位 2018年1月前期 CM好感度ランキング」との記事を載せている。

《CM総合研究所が発表する1月前期の銘柄別CM好感度ランキングで、求人検索サイトを運営するIndeed(インディード)が自己最高となる4位にランクインした。斎藤工と泉里香が様々な職業にふんして、『幸せなら手をたたこう』の替え歌で「仕事(バイト)探しはindeed(※編集部註:原文ママ)」を繰り返す。お笑いコンビの千鳥も加わり、年末年始の調査期間中に9本(※同前:Indeedの指摘によると12本)のCMが流れるバラエティーに富んだ内容で、出演者や音楽が女性層を中心に受けて、高いCM好感度を獲得した》

 こちらもIndeedより上の順位を確認しておこう。
【1】au(KDDI)「三太郎シリーズ:auピタットプラン・餅つき」
【2】SoftBank(ソフトバンク)「白戸家:家族みんなでエヴァ熱唱・エヴァ次回予告風」
【3】どん兵衛(日清食品)「星野源と吉岡美穂:どんぎつねがいない」

最初は失敗からスタート

 さらにCM総合研究所が発表した「2018年7月前期 銘柄別CM好感度TOP10」では、KDDI、NTTドコモに続き3位にランクインしている。

 ご存知の方も多いだろうが、Indeedは求人情報専門の検索エンジンだ。希望職種や希望勤務地などを入力すると、ありとあらゆるウェブ上の検索情報を巡回し、合致する求職情報を提示してくれる。収益の基本は画面に表示される広告だ。「求人サイト界のGoogle」と評する声もある。

 来歴としては2004年にアメリカで設立され、60以上の国と地域で展開されている。09年から日本でのサービスを開始しているほか、実は12年にリクルートホールディングスが買収している。現在では完全子会社という位置づけだ。

 さて話をCMに戻せば、「とにかくIndeedのCMはよく見るし、新しいCMに代わる期間が短い」という印象を持っている方は多いのではないだろうか。

YouTubeにあるIndeedの「CMアーカイブ」を覗いてみると、最初は17年6月にアップされた「仕事さがしにサーチあれ。仕事篇」で、最新は18年6月の「七夕篇『毎日会えてもきついか』」となっており、通し番号は48となっている。

 Indeedによると、実際に放送したCMはさらに多く、1年間に53パターンに達したという。これだけの頻度で、これだけ大量のCMがテレビに流されたのは、やはり前代未聞と言っていいだろう。

 どういう狙いから、このようなCM戦略を構築したのか、Indeedのマーケティングディレクターの水島剛さん(37)は、「最初は失敗からスタートしました」と明かす。

「もともとIndeedのサービスを日本で開始した際、世界使用のCMを放送したんです。ところが、全く話題になりませんでした。過去のデータから、これだけのCMを放送すると、これだけ認知度上がるという方程式のようなものがあるのですが、それと比較しても全く伸びていませんでした」

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