“都落ち”寸前の“かぐや姫”… 「大塚家具」が家賃めぐり訴訟沙汰
使うごとに味わいが増す代わりに、骨肉の争いが思い出される家具なんて。そう思う人が多いのは容易に想像がつく。結果、大塚家具の台所は火の車。銀座本店の家賃が払えず、かぐや姫こと大塚久美子社長(50)は、都落ち目前だとか。
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貧すれば鈍すと言うけれど、賃借している本店にドンと構えている余裕は、もはやないようだ。
「大塚家具は3月、10階建ての銀座本店の貸主、三井不動産を相手に、月額9600万円の家賃を7600万円に減額するように求める確認訴訟を起こした。すると翌月、三井側が1億320万円への引き上げを求め、反訴したのです」(不動産業界の関係者)
ここに至った経緯は、裁判資料によれば概ねこうだ。
大塚家具が三井不動産との間に、銀座本店の基本協定書を結んだのは2008年7月。引き渡しが10年9月で、翌10月にオープンしたが、その2年間に大きな出来事があった。久美子氏の社長就任と、リーマンショックである。
久美子社長側は13年、三井不動産に家賃改定を申し出た。リーマンショック以前に決められた家賃は高すぎる、という理屈である。だが、受け入れられず、その後も重ねての要求が受け入れられない。17年には減額を求めて調停が始まったがまとまらず、訴訟と相成った、というわけ。
なりふり構わぬ姿勢が、大塚家具の台所事情の反映であるのは言うまでもない。経済部記者が言う。
「2017年の決算は純利益が対前年比17・7%減のマイナス72億5900万円、営業活動によるキャッシュフローはマイナス47億8500万円。単純計算で毎月4億円近くが失われ、営業すればするほど赤字が膨らむ状況です。親子喧嘩の末に、久美子氏が社長に復帰した直後は110億円あった手許現金も減り続け、いまや自由に使えるキャッシュは10億円程度だと言われています」
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