【特別対談】定時で帰る働き方(下)

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朱野帰子 小説『わたし、定時で帰ります。』(新潮社)の中で、主人公の結衣が父親の写真を見つめる場面が出てきますが、あれは私自身の経験に基づいているんです。私にとって”働く人のあるべき姿”は、バブル期が働き盛りだった父なんですね。仕事ばかりでほとんど家にはいませんでしたが、そういう家庭に育った私としては、父の働き方を肯定してあげたい気持ちが少なからずあるんです。先ほど「最近の経営者たちは長時間勤務を経た自分の成功体験を否定したくない」というお話がありました。何と言いましょうか、佐々木さんに父や私の働き方を否定されたとまでは思わないんですけど、これまでの人生がグラグラと揺らいでいるというか……。...

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