「スマブラではピカチュウ使い」 ゲーム実況者へ転身の平岩康佑アナが語るゲーム愛

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任天堂からも内定

「スマブラ」シリーズといえば、ご存じ任天堂のヒットタイトル。実は平岩氏、就職活動では朝日放送と共に任天堂の内定も貰っていたという。

「苦渋の決断でした……。内定者懇談会まで出たんです。その場に30人くらいの内定者がいて、雑談の時間があったんですが、気付いたら自分が話題を振り、場を仕切っていた。それで“あ、自分は人前で話すのが好きなんだ”と気付いて、朝日放送を選びました」

 そうして始まった社会人生活だったが、そこは激務のテレビ業界、当初はゲームをプレイする時間をとれなかった。一人前になるため、大学野球の会場などに赴き、周りの客に白い目で見られながらひとり実況を練習。夏の甲子園で実況アナデビューしたのは、3年目になってからのことだった。

「それでひと段落して、久しぶりにゲームを買いました。その時は『CALL OF DUTY(コール・オブ・デューティ)』ブラックオプスの初代? 2だったかな? さすがに実況仕事が控えていた時は無理でしたけれど、翌日の仕事がニュースを読むくらいだったら、朝まで遊んで出社したことも……。今だから言えますけれど」

 ゲームを自重しなければならないくらい難しい実況という仕事。すでにYouTubeでは有象無象のゲーム実況者が動画をアップし、ゲーム大会では実況者席も設けられているが、いかにしてプロのアナウンサーの腕を見せるのか。

「大会では“解説者が実況をやっている”みたいなケースがよくあります。僕は朝日放送時代、野球を主に担当させて頂いていたんですけれど、隣の解説には元プロ野球選手などの経験者がいます。解説者はホームランを打ったことがあるけれど、実況者にはない。だから実況者は基本的に技術論を語らないようにしています。解説の人に『どこが悪いんですか?』と尋ねる立場です。たとえ分かっていても、あえて聞く。『見事なプレーです!』と盛り上げるのは大事な仕事ですが、選手の批評もしません。これに当てはめれば、いまゲーム実況をされている方は、ご自身もゲームが上手いことがほとんどなので、そのゲームをよく知らない人が、何をどれだけ分からないのか、実況者が慎重に考えることも大事だと思っています。その差を意識して、今、ゲーム実況をしています。とはいえプレイして感覚をつかむことも重要で、弊社に所属する実況者には、最低100時間そのタイトルをプレイしてからの実況を課そうと思っています。その点でいえば、『League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)』などのMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)と呼ばれるジャンルは、画面を見ただけでは理解ができず、“間”のあるプレイ展開のゲームなので、実況のしがいがありそうですね」

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