連続休場「稀勢の里」の引退危機 実父が語る“活”

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「調整不足が原因」

 さて、連合稽古だが、スポーツ紙の相撲担当は、

「29日は西前頭15枚目の竜電を稽古の相手に指名。5勝4敗で終えると、翌30日は新入幕の琴恵光を指名。全勝はしましたが、この時期にこんな下っ端を指名するのを見て、今場所の休場を確信しました」

 追い打ちをかけたのは白鵬だった。

「7月2日、白鵬に胸を貸してもらって2勝8敗。稀勢の里は“目が覚めた”と言っていましたが、2勝も遊んでもらっただけですよ。翌3日は白鵬に断わられましたが、これは白鵬が、稀勢の里が休場すると思ったから。出場しない力士に2日も付き合う暇はないんです」(先のジャーナリスト)

 かくして秋場所に賭けるしかなくなったが、師匠不在の折、ここは実父の萩原貞彦さんに活を入れてもらうしかあるまい。

「九月場所では待ったなしで進退が決まるので、できれば名古屋場所に出場してほしかった。本人からケガの回復具合の報告はありませんが、ほぼ治っていると思います。だから調整不足が原因での休場だと感じています。長いこと土俵で相撲をとっていませんから、相撲勘が戻っていないんですよ。五月場所終了後、名古屋場所までは地方巡業がなく、ほかの部屋の力士とぶつかり稽古ができなかったから、調整が難しい」

 しかし、後がない。

「息子は日本人唯一の横綱ですから、その責任を土俵で示さなければなりません。名古屋場所の間は朝稽古を頑張って、8月に目いっぱい調整し、9月に賭けてほしい。息子なりに復帰を目指していろんなトレーニングをしていますよ」

 さて、父の声は届くか。

「私が何かアドバイスしても、耳を貸しません。見守るしかないわねぇ」

 ただ、その性格は、

「ドンと構えているように見せて、細かい性格で、神経が細い。繊細だからこそいろいろ感じて、克服する力を養えるのでは」

 さて、来場所までに、どこまで養えるか……。

週刊新潮 2018年7月19日号掲載

ワイド特集「おしゃべり金魚 浮き沈み」より

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